トークン化ポケモンカード市場「Collector Crypt」、独自トークンCARDSが10倍上昇
暗号資産(仮想通貨)運用企業Bitwise(ビットワイズ)のアナリスト、ダニー・ネルソン氏は4日、トークン化されたポケモンカードのブームは長続きすると予想した。
仮想通貨ならではのイノベーションにより、人々がこれまで全く意識していなかったサービスへの世界的な需要を生み出すとの見解を示した。ポリマーケットが予測市場にもたらしたような効果にも例えている。
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特に、トレーディングカードのトークン化プラットフォームCollector Crypt(ソラナ基盤)が8月末に独自のユーティリティトークンCARDSをローンチし、1週間も経たないうちに10倍に上昇したことが背景にある。ネルソン氏は、この熱狂の多くは、その収益の一部がトークンの買い戻しに還元されるという期待によるものだと指摘した。
さらに、Collector Cryptの「ガチャ」への需要も急増しており、先週だけで1,660万ドル(約24億円)に達したとも続けている。
ガチャは、日本でカプセルトイ(ガチャポン)として知られるような仕組みだ。プレイヤーがガチャを引き、その中にはランダムにアイテムが入っている。アイテムごとにレア度が設定されており、出現率に違いがある。
「ガチャ」には、プレイヤーが引いたカードを80~85%の価格で即時に買い戻すシステムも備わっている。プレイヤーは資金の一部を回収し、目当てのカードを求めてさらに「ガチャ」を引くことができるため、これも取引を促進しているとみられる。
Collector Cryptは、ソラナ( SOL )上のトークン化ポケモンカード市場をリードする存在だ。物理的な公式トレーディングカードを裏付けとしてその所有権をNFT(非代替性トークン)で取引する二次市場である。なお、株式会社ポケモンや任天堂などが関与しているわけではない。
ネルソン氏は、RWA(現実資産)トークン化については株式や国債などで採用が進んでいるものの、そうした資産はすでに十分なデジタル化が進んでいるため、ブロックチェーン技術によって根本的な変革が起こるわけではないと意見した。
一方で、ポケモンカードの物理的な市場では、売り手がリザードン、ピカチュウ、サーナイトなどのカードを買い手に発送する手間がかかることを指摘している。トークン化カードではこの手間を省くことが可能だ。
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Collector Cryptは6日、プラットフォームの仕組みを説明。卸売業者、eBayなどから市場価格の85~90%で数百万ドル規模の買取を行っており、プラットフォーム上では市場価格の100%で売っていると述べる。
この差額やプラットフォーム手数料がCollector Cryptのトレジャリーに入り、その資金がさらなる物理的なカードの買い入れやトークン買い戻しなどに使われるとした。
最優先事項は、NFTの裏付けとなるトレーディングカードの購入だ。世界で最も潤沢なカードのストックを構築することを目標に掲げている。
さらに、余剰資金は準備金として保有しておくと同時に、一部をトークンの買い戻しに使用する。また、将来的にはバーン(焼却)や、特典付与、そしてDeFi(分散型金融)との連携も構想しているところだ。
なお、トークン化TCG市場最大手のCourtyardはまだガバナンストークンをリリースしていない。Courtyard(ポリゴン基盤)におけるポケモンカードNFTが8月、月間売上高で7,800万ドル(114億円)を記録し、トークン化されたポケモンカード全体8月の取引量の63%を占めたが、Collector Cryptはその半分以上となる4,400万ドルを記録した。(例えば、国内のポケカ2次流通大手晴れる屋の7月売り上げは3.65億円相当)
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