ビットコイン材料不足感、目先の上値目途は?|bitbankアナリスト寄稿
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
取引所・その他サービス
今週の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は小動き且つ方向感に欠ける推移となっており、18日正午時点で、1200万円周辺で推移している。
先週末にかけてBTCは1200万円周辺に回復。週明けは関税懸念がやや後退する中、FRBのウォラー理事が景気後退回避のために利下げを実施する可能性に言及した他、ホワイトハウスのデジタル資産担当高官が、関税収入による追加BTC購入を検討する可能性に言及し、15日東京時間には1240万円周辺まで戻した。
しかし、これによりドル建てBTC価格が8.6万ドルにタッチすると、やれやれの戻り売りが入り、15日の米国時間は下げ一色で週明けからの上げ幅を完全に吐き出した。
ただ、16日には売り一服で下げ渋ると、米小売売上高の上振れを受けて1200万円を回復。直後にはFRBのパウエル議長が利下げに慎重な姿勢を示したことで急反落を演じたが、暗号資産(仮想通貨)の規制に緩和の余地があると発言したこともあり、1200万円周辺の水準を死守した。
尤も、その後は手掛かり不足で、1200万円周辺で小動きが続いている。
テクニカルの側面では、ドル建てBTC価格は一目均衡表の雲下限で上値を抑えられており、終値で同水準の上抜けに成功すれば、テクニカル的なセンチメントも少しは改善しそうだ(第2図)。
ただ、18日からは欧米がグッドフライデーの祝日となるため、BTCは引き続き方向感に欠ける展開が続くか。来週は週後半の米耐久財受注や米ミシガン大学の消費者調査まで目星い経済指標の発表もなく、目先では足元の水準で揉み合う展開が続いてもおかしくないと言えよう。
今週は、トランプ米大統領が私的にパウエルFRB議長の解任をウォーシュ元FRB理事と協議していたとの報道や、バイナンスが複数の国に対して戦略的BTC備蓄についてコンサルしているとの報道もあったが、BTC相場は上にも下にも大きく動かなかった。
トランプ関税による貿易摩擦の懸念は、各国との交渉が始まったこともあり、今週は一旦売りが落ち着いたと言えるが、依然として積極的にリスクを取りづらい状況が続いているとも言えるか。
他方、今週はパウエルFRB議長が利下げに慎重な姿勢を示したことが話題となったが、一部のFRB高官がハト派的なスタンスを示し始めたこともあってか、パウエル議長の発言の影響は極めて限定的だった。実際、FF金利先物市場では引き続き年内4回の利下げがコンセンサスとなっている。
とは言え、米金融政策の手掛かりも経済指標次第といえ、目先ではやはり材料不足感がある。
上述の通り、テクニカル的なセンチメント改善も少しは期待できるが、上値余地は限定的か。一目の雲突入に成功したとしても、200日線や3月の戻り高音の8.8万ドル周辺が目先の上値目途とみている。
関連: おすすめ国内仮想通貨取引所投資家のクチコミ比較ランキング
関連: ビットバンクプラス 公式サイト
過去のレポート 一覧
週刊仮想通貨ニュース|JPモルガンのビットコイン需要分析やSECゲンスラー前委員長の未来予測に高い関心
今週は、著名投資家レイ・ダリオ氏の世界経済に対する警告、米SECのゲーリー・ゲンスラー前委員長による仮想通貨の未来予測、JPモルガンによるビットコイン需要分析に関するニュースが最も関心を集めた。...
金価格の史上最高値から150日以内にビットコイン上昇か、歴史的パターンが示す40万ドルへの道筋
金が3,357ドルの史上最高値を記録する中、専門家は過去のパターンからビットコインが150日以内に反発すると予測。パワーローカーブモデルは2025年後半に400,000ドル到達の可能性を示唆。JPモル...
仮想通貨市場低調の中、堅調な分野は? ビットワイズ1~3月期レポート
ビットワイズが2025年1~3月期の仮想通貨市場をレポート。ステーブルコインなど、市場全体の下落にもかかわらず過去最高を記録した分野を解説している。...