米下院委員会がCBDC監視反対法案を可決 トランプ大統領令の流れを反映
米国下院金融サービス委員会は3日、「CBDC監視国家反対法(Anti-CBDC Surveillance State Act)」の修正案を賛成27票、反対22票で可決した。
この法案は、共和党のトム・エマー議員(ミネソタ州選出)によって3月に再提出されたもので、「選挙で選ばれていない官僚」による中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行を阻止することを目的としている。
CBDCを声高に批判するエマー議員は、CBDCが政府による金融監視のツールとして悪用される可能性があるとして、一貫して強く警告してきた。
委員会での採決に先立ち、エマー議員は、3月11日に行われたステーブルコインとCBDCに関する公聴会で、CBDCの概念を鋭く批判。政府が管理するデジタル通貨は個人のプライバシーと金融の自立性に直接的な脅威をもたらすと主張し、次のように述べた。
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CBDC監視国家反対法の主な内容は以下の通り:
なお、FRBのジェローム・パウエル議長は、CBDCの導入について慎重な姿勢を示しており、2025年2月には「私のリーダーシップの下ではデジタルドルを追求するつもりはない」と発言。また、FRBは、議会の承認なしにCBDCを発行する計画はないと繰り返し表明している。
エマー議員は、CBDC監視国家反対法は、プライバシー、個人の主権、自由市場の競争力というアメリカの価値観を反映するもので、デジタル通貨政策が国ではなく、国民の手に委ねられることを保証するものであると主張している。
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エマー議員は、2022年1月にCBDC禁止法案を最初に提出した。その後、2023年に再提出された法案は同年9月に下院金融サービス委員会で審議され、可決された。
2024年5月には、改良版の「CBDC監視国家反対法」が、第118回議会の下院本会議で216対192の賛成多数で可決された。しかし、民主党が多数を占める上院での審議は保留となり、成立には至っていなかった。
今年1月24日、大統領に就任したドナルド・トランプ氏は国家的戦略準備金やCBDC禁止に関する大統領令に署名した。この大統領令では、CBDCの設立、発行、推進を行ういかなる措置についても、省庁に禁じている。
この動きが、CBDC反対法案の支持派の追い風となり、エマー議員は今年3月、この法案を第119回議会に再提出。「今こそ、我々はこの大統領令を成文化し、将来の政権がアメリカ人に対してこの技術を武器化できないように、その開発を永久に禁止しなければならない。」と強調した。
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