暗号資産(仮想通貨)などのデジタル資産の上院銀行小委員会で委員長を務めるシンシア・ルミス氏など6名の米共和党の上院議員は5月27日、米国の金融当局宛に書簡を送付し、銀行に関するデジタル資産のバランスシート上の取り扱いについて、明確で公正なルールを作成するように求めた。
書簡を送付したことを6月4日に公表しており、議員はトークン化証券の自己資本規制ルールを明確にするガイドラインを当局が今年3月に発表したことを称賛した上で、その取り組みに続けてデジタル資産の自己資本規制ルールを策定するように求めている。
今回の書簡の送付先は、連邦準備制度理事会(FRB)の銀行監督担当副議長、連邦預金保険公社(FDIC)の総裁、通貨監督庁(OCC)の長官。この3組織は共同で、今年3月にトークン化証券の自己資本規制上の取り扱いに関するFAQ(よくある質問と回答)を公表していた。
議員は今回の書簡で、トークン化証券の自己資本規制ルールについて3組織が「資本の取り扱いは、所有権を記録する技術ではなく、もとの資産のリスク特性を反映すべきだ」と述べていたことを指摘。その上で、同様の原則を他のデジタル資産にも適用すべきだと主張した。
書簡を送付した背景にあるのは、バーゼル銀行監督委員会が2022年に決定した銀行の自己資本規制ルール。このルールは、ストラテジー社のフォン・レCEOが過去に見直しを求めるなど、問題を指摘する声が複数上がっている。
今回議員は、バーゼル銀行監督委員会のルールでは、規定の条件を満たさないビットコイン(BTC)などのデジタル資産には1,250%のリスクウェイトが適用されると指摘した。
そして、これは銀行がデジタル資産を保有する場合に、100%かそれ以上の資本を別に保有することを義務付けることになると説明。その上で、これは非常に厳しい分類であると主張した。
議員は、この分類はデジタル資産の実際のリスク特性を考慮した評価にもとづいていないとも述べている。さらに、この枠組みは資産カテゴリーによって課される包括的なペナルティのようであり、実質的に銀行がデジタル資産を保有することを禁じるものであると非難した。
その上で、バーゼル銀行監督委員会のルールは、技術に中立なアプローチとは反するものであると述べている。
議員は、バーゼル銀行が2025年11月にこのルールのレビューを行うことを発表していることや、米議会がデジタル資産の包括的な法案(仮想通貨市場構造法案:クラリティー法案)を現在議論していることなどにも触れた。
そして、米国の資本市場が今後も世界的に見て非常に流動性が高く、革新的で、競争力のある市場であることを維持し、米ドルが世界の準備通貨であり続けるために、これから当局と協業することを楽しみにしていると結んでいる。