米上院は仮想通貨市場構造法案「クラリティー法」の委員会審議を4月後半に実施することを確定した。
法案の最大の争点は、ステーブルコイン保有残高への受動的な利回り付与を禁止する条項で、取引や決済などの活動に連動した報酬は引き続き認める内容となっている。
この条項はコインベースの年間収益のほぼ5分の1に相当する13.5億ドルのステーブルコイン関連収益に直接影響する。コインベースは26日、クラリティー法の最新草案に「重大な懸念」があるとして支持できないと上院側に伝えた。これはコインベースにとって2度目の反対表明で、複数の大手仮想通貨企業と連携し条文変更を求める正式な対案の調整に入っている。
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コインベースは今年1月15日に予定されていた委員会審議の前夜にも支持撤回を表明し、採決が延期された経緯がある。問題となっているのは、共和党のトム・ティリス上院議員と民主党のアンジェラ・アルソブルックス上院議員が主導し3月24日に流通した妥協案で、コインベースは活動ベースの報酬スキームも実質的に封じる内容だとして反発している。
銀行業界は仮想通貨業界と真逆の方向に圧力をかけており、ジェイミー・ダイモン氏とブライアン・アームストロング氏がステーブルコイン経済をめぐり直接対立していると伝えられている。クラリティー法は昨年7月に下院を294対134の賛成多数で可決しており、上院での成立が米国の仮想通貨規制整備の最終関門となっている。
シンシア・ラミス上院議員は「ステーブルコイン報酬の保護とコミュニティ銀行からの預金流出防止のため取り組んでいる」と29日に発言し、超党派合意の形成に向けた調整を続けていることを明らかにした。
仮想通貨業界は、銀行が連邦準備制度に預ける準備金で約4%を得ながら預金者に事実上ゼロ金利を適用しているとして、報酬禁止は単なる競争抑制に他ならないと主張している。
4月後半の委員会審議までにコインベース主導の対案が条文に反映されるかどうかが焦点だ。モレノ上院議員は5月までに可決されなければ2027年以前にデジタル資産立法が再び本格審議される可能性は低いと警告しており、今回の委員会審議が事実上の最終局面となる。
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