暗号資産(仮想通貨)オンチェーン分析企業のクリプトクアントは12日、週間市場レポートを発表。ビットコイン( BTC )が弱気相場の底に達するのはまだ先になるとの見解を示した。
まず現状について、2月5日にはビットコイン価格が14%下落して6万2,000ドルとなり、実現純損失(実際に売却された時点で確定した損失の合計額)は54億ドル(約8,200億円)に達したと指摘する。
この損失は、2023年3月の58億ドル以来最大であり、2022年11月に大手取引所FTXが破綻した直後に記録した43億ドルの損失も上回っている。
こうした実現損失の規模から、一部の市場アナリストは価格の底値が近いと示唆しているところだ。しかし、クリプトクアントは、ビットコイン換算の月間累計実現損失は現時点で30万BTCであり、2022年の弱気相場終盤の110万BTCと比較すると低いと述べた。
これを、構造的にまだ売り尽くしになっていないと状態だと分析している。
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さらに、主要なバリュエーション指標も、過去の投げ売り水準に達していないと述べた。MVRVは依然として「極端な過小評価」水準には達しておらず、NUPLは底値で典型的な約20%の未実現損失(含み損)領域に達していないと続けた。
クリプトクアントは、長期保有者の行動は投げ売りの領域ではないとも指摘する。
長期保有者の売却は現在、損益分岐点(利益0%)付近で行われているが、過去の弱気相場の底は長期保有者が30~40%の損失を被った時に形成されていた。このため、完全な市場リセットはさらなる下落リスクを伴う可能性があるとしている。
また、実現価格のサポートライン(現時点で約5万5,000ドル)はまだ試されていないとも続けた。
ビットコインは現在、実現価格(市場参加者全体が保有しているビットコインの平均取得コスト)を約18%上回って取引されているが、以前のサイクル安値では価格がそれを24~30%下回り、その後4~6か月間、そうした水準で底値を固めていた。
クリプトクアントはこれを踏まえ、底打ちは短期間の投げ売りで起こるのではなく、時間のかかるプロセスであると述べた。
一方、仮想通貨投資企業コインシェアーズのリサーチ部門は9日、仮想通貨ETF(上場投資信託)などの投資商品からの資金流出が減速していると指摘。投資商品については相場が底入れした可能性があるとの見方を示している。
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