「仮想通貨市場へのトランプ関税ショックの影響は一時的」Bitwiseが3つの判断基準を公開
暗号資産(仮想通貨)運用企業Bitwise(ビットワイズ)のマット・ホーガン最高投資責任者は14日、米中対立激化への懸念から先週末に起きたビットコイン( BTC )などの仮想通貨市場の急落は一時的なもので、大きな影響はないとの見方を示した。
定例のメモを公開して、規制環境の改善や機関投資家からの資金流入、伝統金融市場での認識の高まりといった仮想通貨の長期的な好材料に影響するものではないと指摘。そして、相場急落の重要度を判断するためのチェックリストを掲載している。
ホーガン氏は冒頭で、自身が仮想通貨に投資をする際は、お金や金融の未来への期待から複数年保有する長期投資を行っていると説明。100倍のような高いレバレッジをかけて速く利益を上げることを目指す投資家もいるが、いつもはカジノのような投機には気を配らないようにしていると述べた。
しかし、時には無視できないほどの影響を受けることがあり、その一例が先週末にかけて起きた市場の急落だったとした。週末のタイミングで米中対立に対する懸念が高まり、市場が常にオープンしている仮想通貨が大きな影響を受けたと述べている。
そして、当時の状況を振り返り、レバレッジをかけたポジションが合計で約200億ドル(約3兆円)清算(ロスカット)されたのは過去最大規模だったことなどを説明している。
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その上で、自身が疑問に思っているのは、この時の急落は重要なのかどうかということだと説明。ホーガン氏は、基盤の技術、セキュリティ、規制環境といった要素が何も変わっておらず、トランプ政権の対中姿勢軟化を受けて相場が上昇に転じたことから、自身は重要ではないと考えているとした。
そして、重要ではないとの考えは機械的な回答ではないと説明。今回のような相場急落が仮想通貨の長期的な発展に影響を与える場合も確かにあるとして、自身が重要性を判断するためのチェックリストを掲載している。
ホーガン氏が今回提示した、相場急落の重要性を判断するためのチェックリストの1つ目は「主要プレイヤーの破綻を引き起こす急落だったか」。相場が急に調整局面に転じるとBitwiseは、カストディ企業や流動性プロバイダーらの状況をまず確認するようにしているとした。
相場の急落は、たとえテクニカル要因がきっかけになっていたとしても、ヘッジファンドや著名なマーケットメイカーのような大手企業に影響を与えた場合は、大きなダメージを市場に与えうると述べている。
チェックリストの2つ目は「基盤技術であるブロックチェーンがどのように機能したか」。これは例えば、大量の取引を処理できているか、DEX(分散型取引所)は機能したか、ウェブサイトは落ちていないかといった内容だという。
その上で、今回の急落は、バイナンスのような一部の中央集権型取引所で問題は起きたが、完璧ではないまでも合格点だったとの認識を示した。相場急落後、バイナンスが即座に補償を発表したことはすでに報じられている通りである。
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3つ目は「ホーガン氏のメールの受信トレイがどうなっているのか」。これは、投資家からのメールなどでの問い合わせが多いかどうかという意味である。
そして、今回の急落では、メディアやXユーザーからの質問は多かったが、プロの投資家の多くは今回のニュースに反応していないとした。
なお、それでもホーガン氏は、仮想通貨相場は短期的には神経質な状況が続く可能性があると分析。大きな価格変動の後は通例、マーケットメイカーや流動性プロバイダーが市場への参加を控えるとし、流動性が低い時は相場が上下に変動しやすくなると述べている。
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