Paxos、PYUSD300兆ドル誤発行で緊急対応 セキュリティ被害はなし
Paxosは16日、X(旧Twitter)上で声明を発表した。同社は内部送金処理の一環として、誤ってPayPalステーブルコインPYUSDを過剰に発行したと明らかにした。
オンチェーンデータによると、Paxosは現地時間15日15時過ぎにPYUSD300兆ドル(約4京6,200兆円)を誤発行し、その約20分後にアクセス不可能なウォレットに送信することで全量を焼却処理したという。
今回のケースでは、内部送金処理の一環でミント関数が誤作動し、想定外の膨大な量が無担保トークンとして生成された。
仮に検知が遅れ市場に流出していれば、DeFiプロトコルでの悪用によりPYUSDの価値が暴落し、USDTやUSDCなど他のステーブルコインへの信頼も揺らぎかねない事態となっていた。
Paxosは声明で「これは内部的な技術エラーであり、セキュリティ侵害ではない。顧客資金は安全である」と強調。根本原因への対処は既に完了しており、今後同様の問題が発生しないよう措置を講じたとしている。
DefiLlamaのデータによると、執筆時点でステーブルコイン全体の時価総額は約3,062億ドル(約47兆円)となっている。PYUSD自体の時価総額は約26.5億ドル(約4,081億円)。
PYUSDは2023年8月に発行された米ドルペッグのステーブルコインで、米ドル預金と短期米国債で完全に裏付けられており、1:1で米ドルと交換可能だ。発行と保管はPaxos Trust Companyが担当している。
Paxosは今年8月、米国通貨監督庁(OCC)に連邦信託認可の申請を提出した。承認されれば全米での業務展開が可能となる。
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