イーサリアム財団がプライバシー強化ロードマップ発表 3つの重点分野で取り組みへ
イーサリアム財団の「プライバシー&スケーリング探究」チームは、「イーサリアムのプライバシー管理者(Privacy Stewards of Ethereum)」に名称を変更。チェーン上で包括的なプライバシーを構築するためのロードマップを公開した。
イーサリアム財団は、この目的を次のように説明している。
イーサリアムは、グローバルなデジタルコマース、アイデンティティ、価値のインターネットなど中核インフラとなるにふさわしい存在だが、これはプライベートなデータや取引、アイデンティティなしには実現できないとも続けた。
プライバシー管理者のチームは、イーサリアムにおけるプライバシーを当たり前のものにすることを目標に掲げており、強力で検閲耐性のある、仲介者不要のプライバシーを実現するために必要なL1(メインネット)の変更を実施していく方針だ。
技術スタック全体(プロトコル、インフラ、ネットワーク、アプリケーション、ウォレット)に包括的なエンドツーエンドのプライバシーを組み込むとしている。
イーサリアム財団は8月、セキュリティ強化の行動指針も発表したところだ。
関連: イーサリアム財団、セキュリティ強化の行動指針発表まずはユーザー体験の安全性向上へ
ロードマップは、次の3つの分野に重点を置いている。
プライベート書き込みでは、プライベートなオンチェーンアクションをパブリックアクションと同じくらい安価かつシームレスにすることを目指す。
送金、投票、アプリケーションとのやり取りなど、あらゆる操作をプライベートに行うようにする。FHE(完全準同型暗号)への長期的な取り組みと、最先端の実用的な難読化に向けた取り組みが含まれている。
プライベート読み取りは、身元や意図を明かさずにブロックチェーンからの読み取りを可能にすることだ。
ユーザーが監視やメタデータ漏洩を懸念することなく、イーサリアムのアプリでクエリ、閲覧、認証を行えるようにするとしている。
プライベート証明は、証明の生成と検証を高速化し、プライベートでアクセス可能にすることだ。
オンチェーン/オフチェーン状態、Webデータ、ドキュメント、ID認証に対して、目的に即したデータ最小化証明を提供することで、環境をまたいだデータポータビリティと検証可能なデータ来歴を実現する。
チームによると、これらの行程における具体的な優先事項は、それぞれ取り組み期間や成果物が異なるもので、エコシステムに合わせて変化していく。また、今後数年間は取り組みが継続すると予想されている。
関連: イーサリアム、機関投資家需要拡大でオンチェーン活動が過去最高水準到達
関連: ビットコイン・イーサリアムの最高値は?2025年末までの価格予測と注目イベントまとめ
関連: イーサリアムの価格と将来性を解説|今後の注目ポイントと中長期の成長シナリオ

人工知能と人間の創造性、消費者アプリの活用事例|WebX2025トークセッション
WebX2025で専門家が人工知能エージェントの可能性について徹底議論。創造性や、人間の仕事を消滅させる可能性、安全性や開発上の課題などを多角的に話し合った。...

アジア仮想通貨規制の現状と課題:香港・台湾の最新動向と地域連携の必要性|WebX2025
大型Web3カンファレンス「WebX」で、「アジアにおける規制フレームワークと今後の見通し」をテーマとしたパネルセッションが開催された。このセッションでは、香港と台湾の最新の規制動向から、仮想通貨規制...

「ビットコインは毎日最高値更新する必要はない」アーサー・ヘイズが語るBTC長期投資の真価
仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏が、各国の金融緩和政策を背景にビットコインの長期的上昇を予想した。4年サイクルよりもマクロ見通しが要因になるとしている。...