イーサリアムの次の上昇目標は? Glassnodeがアルトコイン市場を分析
ブロックチェーン分析企業Glassnodeは23日、暗号資産(仮想通貨)市場についての週次レポートを発表した。アルトコイン市場で建玉(OI)が増加しており、市場のボラティリティ(価格変動)を増幅させる可能性があるとしている。
また、イーサリアムについて、現在の市場環境から見た今後の上値目標やサポートラインについても見解を述べた。
先週、すべてのアルトコインセクターがビットコイン( BTC )をアウトパフォームしており、特にイーサリアム( ETH )が顕著だった。これにより、アルトコインの時価総額は過去2週間で2,160億ドル増加している。
Glassnodeは、アルトコインセクターは今サイクルを通して低迷していたが、最近パフォーマンスが急上昇しており、投資家行動の顕著な変化を示していると述べた。
ビットコインから、よりリスクの高いアルトコイン市場へ資金がローテーションするアルトシーズンは7月9日に初めて出現し、それ以来、より広範な仮想通貨市場全体で資本の再分配が継続していることが示されると指摘する。
ビットコインの価格変動は過去1週間ほぼ横ばいとなっており、アルトコインが、イーサリアムを筆頭にアウトパフォームしている状況だ。
一方でGlassnodeは、ビットコインはエコシステム内で圧倒的なシェア(64%以上)を保っており、そのパフォーマンスが持続的に低迷すれば、アルトコイン市場にとっても逆風となって、上昇の勢いが抑制される可能性があるとも述べた。
アルトコインへの資金の流れは、特に永久先物市場で顕著であり、イーサリアムの永久契約のドミナンスは過去最高を記録。2022年のサイクル安値以来初めて、ビットコインを上回っている。
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Glassnodeはイーサリアムについて、経済的にアクティブな投資家の平均取得価格「トゥルー・マーケット・ミーン」が2,500ドル、最近の取引に着目する取得単価である「アクティブ実現価格」が3,000ドル、イーサリアム全体の平均取得価格である「実現価格」が2,100ドルだと指摘した。
また、この2,100ドルから3,000ドルという価格帯は、特定の価格帯で保有されているコインの量や分布を示す指標「CBDメトリック」で示されるコインの密集分布ゾーンと一致しており、今後調整があった場合の抵抗線として機能する可能性もあると述べる。
今後のイーサリアムの上昇目標については、アクティブ実現価格の+1標準偏差(+1σ)バンドという指標をみると、現在は4,500ドルに位置しており、このレベルが現在の市場環境では「過熱ゾーン」とみなされると分析した。
このため、イーサリアムの価格上昇が続き、投機的な過熱感がさらに高まった場合の上値目標は4,500ドルだとしている。
アルトコインへの注目の高まりはデリバティブ市場にも波及しており、主要アルトコイン(ETH、SOL、XRP、DOGE)の建玉残高は7月だけで260億ドルから440億ドルに増加した。
Glassnodeは、この急激な増加は、投機的なポジションの加速と市場のバブルの拡大を示唆していると分析。レバレッジの上昇は利益を増幅させる一方で損失を悪化させ、ボラティリティショックに対して市場をより脆弱にする可能性があると続けた。
なお、著名仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏は、2025年末の価格予測として、ビットコイン25万ドル、イーサリアム1万ドルの強気な見解を示したところだ。
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