堅調推移のビットコイン過去最高値に迫る、米株指数上昇で強気ムード継続
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン( BTC )は前日比+1.1%の1BTC=108,590ドルに。
過去最高値は、今年5月に記録した112,000ドル。
先週末は、イスラエル・イランと米国の軍事行動をめぐる中東情勢の緊張が高まり、株や暗号資産(仮想通貨)は大幅下落に見舞われたが、その後の停戦合意と緊張緩和を受けて力強く回復した。
ビットコインは前々週から前週にかけて9万8,000ドルの安値まで約8.5%下落したものの、その後力強く反発し、前週末の終値は10万7,000ドルと週初値を上回る水準で回復。心理的節目である10万ドル水準を再び上回った。
地政学的緊張の緩和と世界的な流動性上昇傾向を背景に、市場参加者は総じて強気姿勢を維持している。
27日時点のマルチアセット(株式、FX、コモディティ、債券)のボラティリティパフォーマンスは次の通り。
この点について、大手銀行JPモルガン・チェースは、イスラエルとイランの紛争緩和を受けて米株指数が新たな最高値を更新するとの見通しを示した。
同社は「地政学的リスクが過ぎ去り、市場はマクロ経済に再び焦点を当て、決算発表に備え、迫り来る関税モラトリアムの期限を見守っている」と指摘。堅調なマクロ経済指標、プラスの一株当たり利益成長、貿易戦争をめぐる言説の緩和を根拠に、“戦術的に強気”の見方に戻したと表明した。米株指数が上昇すれば、仮想通貨市場にも追い風となる。
今回の地政学的緊張とその後の回復により、ビットコインと他の暗号資産との明確な差別化が浮き彫りになった。最大手資産運用会社ブラックロックによると、ビットコインは20年3月のコロナ・ショックなど過去の地政学的イベント発生後2ヶ月ほど(60日間)で平均+37%の大幅反発(リターン)を記録しており、新興ヘッジ資産としての耐性を示している。
一方、リスクオフ局面でのイーサリアムの大幅下落は、ヘッジ資産としての役割においてまだ確立されていないことを示唆している。ビットコインのドミナンス(市場占有率)は約66%と高い水準を維持しており、最大の仮想通貨としての地位を確固たるものにしている。
バイナンス・リサーチの調査によれば、歴史的にアルトコインの上昇相場はビットコインの力強い上昇に続いて発生することが多いが、現在のサイクルでは重要な構造変化が見られる。
過去3年間で主要ブロックチェーン上のトークン数が約10倍に増加し、新規プロジェクトが飽和状態にある。このため、アルトコインに新たな資金が流入したとしても、この流入は希薄化される可能性が高い。
さらに、過去2つの主要なアルトコインサイクルは明確な技術革新を特徴としていた。
2016年から2018年のサイクルはICO(イニシャルコインオファリング)によって、2021年以降の強気相場では、DeFi(分散型金融)やレイヤー2ソリューションによって牽引された。
しかし現在のミームコインやBitcoinFi、DePINといった多くの主流コンセプトは過去のトレンドの焼き直しのような現象に過ぎず、市場は依然として政策主導型となっている。
トランプ大統領がパウエルFRB議長の利下げ消極姿勢を批判し、任期満了前の交代可能性を示唆したことが市場を揺るがした。
大統領は後任候補として「3から4人」を検討中と表明しており、クリストファー・ウォーラーFRB理事、ケビン・ウォーシュ元FRB理事、ケビン・ハセット国家経済会議委員長、スコット・ベセント財務長官などが候補に挙がっている。
この議長任命の可能性は市場を動揺させ、米ドルが3年ぶりの安値に下落した一因となった可能性がある。一方、トランプ大統領が任命したボウマン理事とウォーラー理事は、インフレの鈍化と労働市場への圧力の高まりを理由に、早ければ7月にも利下げに踏み切る可能性を示唆する発言を行った。
利下げが実現すれば、低金利環境では投資家のリスク選好度が高まり、ハイリスク・ハイリターン資産への資金流入が促進されるなどの理由から、ビットコイン相場には好材料となる。
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