「仮想通貨は弱気相場入りの可能性」コインベースが市況を分析
大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースでリサーチ部門のグローバルヘッドを務めるデビッド・ズオン氏は15日、レポートを公開して、仮想通貨は弱気相場入りした可能性があるとの見方を示した。
見方の根拠を示した上で、おそらく4週間から6週間ぐらいの短期間だが警戒が必要であると主張。一方で現在も、センチメント(市場の心理)が完全に変化して2025年後半には相場は上向くとコインベースは考えていると述べている。
ズオン氏が弱気相場入りの可能性を指摘した根拠は、ビットコイン( BTC )価格とコインベースの独自指数「COIN50」が200日移動平均線を下回ったこと。COIN50とは、時価総額上位50銘柄のパフォーマンスに比重を付けて追跡する指数である。
他には、ビットコインを除いた時価総額の合計が4月中旬に、2024年12月から41%減少していることを指摘。これは、前年同期比で17%の減少であると述べている。
また、ベンチャーキャピタルによる仮想通貨領域への投資が、2025年1Q(1月から3月)は前四半期から増加はしているが、2021年から2022年のピーク時に比べると50%から60%減少していることも指摘した。
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ズオン氏は、こういったデータの背景には主に、米トランプ政権による関税措置と貿易戦争激化の可能性があるとの見方を示している。他にも、金融引き締め政策を含めたマクロ経済の不確実性も影響しているとし、こういった現状が、特にアルトコインに関するベンチャーキャピタルの意思決定を停滞させているとした。
仮想通貨に肯定的な米トランプ政権が発足して規制緩和への期待もあるが、株などの従来のリスク資産を含め、市場には逆風が吹いていると述べている。
一方で、上述した通り、コインベースは2025年後半は相場が上向くと予想した。2025年2Q(4月から6月)の中盤か後半に市場は底値をつける可能性があると分析している。
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