著名投資家ダリオ氏が警告「景気後退よりも深刻な事態が起きる可能性」 解決策は?
世界的ヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエイツ」の創設者で投資家のレイ・ダリオ氏は、米NBCのインタビューで、トランプ政権の関税政策と現在の世界的な緊張が「景気後退よりも悪い」危機につながる可能性があると警告した。
ダリオ氏は、トランプ大統領の関税政策を「より大きな問題の症状」と表現。歴史的に5つの大きな力(金融/経済秩序、国内政治秩序、国際地政学的秩序、自然現象、技術)が複雑に組み合わさり、世界を動かしてきたが、現在は、政府債務問題による金融の不均衡や国内の政治秩序の変化に直面していると指摘した。また、国家間の関係では、台頭する大国が既存の大国に挑戦し、多国間主義から単独主義へと移行しつつあると述べた。
トランプ大統領の関税政策についてダリオ氏は、税収確保や国内製造業の復活といった目的は現実的だが、その実行方法が重要だと強調。大きな混乱を招いた現在のアプローチは「生産システムに石を投げ込むようなもの」であり、世界経済の効率に与える影響は非常に大きいと批判した。
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ダリオ氏は2008年の金融危機を正確に予測した実績を持つ。景気後退に突入する可能性を尋ねられると、「現在は、意思決定の分岐点にあり、景気後退に非常に近い状況だ。」と回答した。
同氏は、貨幣秩序の崩壊や大きな国内および国際秩序の変化を目の当たりにしている今の時代は、1930年代と非常によく似ていると指摘。関税と過剰債務、地政学的な勢力図の変化が組み合わさると、対応次第で景気後退よりもずっと深刻な混乱を引き起こす可能性があると、警告した。
その中でも最大の懸念は、貨幣価値についてだという。供給過剰と需要不足のために、富の蓄えが脅かされ貨幣インフレが起きると、大きな混乱が生じるとダリオ氏は指摘した。
最悪のシナリオについて具体的に問われると、ダリオ氏は以下の3点を挙げた。
ダリオ氏は、このような状況は過去の歴史的サイクルに似ており、第2次世界大戦直後に始まった通貨・地政学的秩序が崩壊することを懸念していると付け加えた。
しかし、ダリオ氏は、危機を回避するための解決策はあると強調。米国政府が取り組める具体的な方法を提案した。
ダリオ氏は「協調的で賢明な行動をとれば、この移行を秩序ある形で乗り越えることができる」と、建設的な見方をも示した。
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