トランプが米政府決済システム近代化の大統領令に署名、税金浪費など削減へ

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米国のトランプ大統領は25日、連邦政府の決済システムを抜本的に変革する大統領令に署名した。2025年9月30日以降、政府は原則として紙の小切手の発行を中止し、電子決済への全面移行を開始する。

大統領令は、政府の支払いプロセスにおける重大な変革を指示している。すべての行政機関は、給付金、仕入先への支払い、税金還付を含むあらゆる支払いを電子的な方法に切り替えることが求められる。直接振込、プリペイドカード、デジタルウォレット、リアルタイム決済システムなどの電子決済方法が優先される。

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この決定の背景には、深刻な財政的課題があるとされている。財務省の調査によると、紙ベースの支払いシステムは年間約6.6億ドルもの納税者の資金を浪費していることが明らかになった。さらに、COVID-19(新型コロナ)パンデミック以降、郵便物の窃盗に関する苦情が大幅に増加しており、紙の小切手は電子送金に比べて16倍も紛失、盗難、改ざんのリスクが高いことが判明している。

ただし、大統領令はすべての支払いを電子化するわけではない。銀行サービスにアクセスできない個人、緊急支払い、国家安全保障上の理由、法執行活動など、特定の例外的なケースには柔軟な対応が用意されている。財務省は、これらの例外状況に対する代替の支払い方法を提供する方針を示している。

財務省は、この移行期間中に包括的な広報キャンペーンを実施する。連邦政府の支払い受取人に対して、電子決済への移行について詳細な情報と設定ガイダンスを提供し、スムーズな移行を支援する。金融機関、消費者グループ、その他の関係者と協力し、銀行口座を持たない、または十分なサービスを受けていない人々の金融アクセスにも配慮する。

各行政機関の長は、90日以内に決済のデジタル化に関する実施計画を管理予算局(OMB)に提出しなければならない。さらに、ベッセント財務長官は180日以内に大統領に対して、この移行の進捗状況に関する実施報告書を提出することが求められている。

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今回の動きで注目されるのは、イーロン・マスク氏が率いる政府効率化局(D.O.G.E)の存在である。マスク氏は、6.5兆ドル規模の連邦政府予算から無駄を一掃するミッションを担っている。これまで政府の非効率的な支払い承認システムを批判し、旧政権の財務省幹部が議会で定められた資金法に反する不正な支払いを繰り返していると指摘してきた。同氏は先月、米国の財政をブロックチェーン上に移行する意向を示唆したが、今回の大統領令にはブロックチェーンという言葉は明記されていない。

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