米通貨監督庁、評判リスク調査を終了 仮想通貨企業への銀行サービス拡大に期待
米国の通貨監督庁(OCC)は20日、銀行やその他の金融機関に対する評判リスク(レピュテーション・リスク)の調査を終了すると発表した。監督官向けハンドブックやガイダンスからも、評判リスクへの言及を削除する計画だ。
これまでは、暗号資産(仮想通貨)企業などへサービス提供していることも銀行の評判リスクとして受け止められる可能性があった。そうした点では規制緩和的な動きとなる。
なお、連邦準備制度理事会(FRB)によると「評判リスク」とは「真実かどうかにかかわらず、金融機関のビジネス慣行に関する否定的な評判が、顧客基盤の減少、高額な訴訟、または収益の減少を引き起こす可能性」と定義される。
OCC長官代理のロドニー E. フッド氏は、次のように言及した。
さらに、OCCはこれまでも、監督措置の包括的な根拠として「評判リスク」を利用したことはないと続けた。
また、今後の検査活動は、透明性を高めるべく、より重要なリスク領域に集中する予定で、OCCが銀行のビジネス上の決定に介入することはなく、今後もないことを明確にできるとしている。
フッド長官代理は、銀行が他のリスク領域で引き続き注意を払い、慎重なリスク管理を行うべきという点は変わらないとも念押しした。
仮想通貨銀行カストディアバンクのケイトリン・ロングCEOは今回の動きを評価しており、次のようにコメントした。
バイデン政権下では、仮想通貨業界に対して銀行サービスを制限するよう水面下の圧力があったことが報告されている。この動きは「オペレーション・チョークポイント2.0」とも呼ばれ、トランプ大統領はこれを撤回する方針だ。
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米国のドナルド・トランプ大統領は、新たなOCC長官としてジョナサン・グールド氏を指名している。上院銀行委員会が、指名の承認に関する公聴会を27日に開催する予定だ。銀行委員会で承認されれば、次は上院全体での承認投票へと進む。
グールド氏は、仮想通貨に好意的とみられている。仮想通貨を推進する政策を打ち出したブライアン・ブルックス氏がOCC長官を務めていた際、同氏の下で上級副会計監査官および主任顧問を務めていた。
その後、ブルックス氏の後任として、仮想通貨企業Bitfuryに8か月間勤務している。ブラックロックや上院銀行委員会での職歴もある。
なお、同じ公聴会ではポール・アトキンス氏の米証券取引委員会(SEC)委員長就任についても議題となる。アトキンス氏も仮想通貨肯定派として知られているところだ。
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