米カストディアン銀行大手BNY(旧BNYメロン)は22日、顧客向け書簡を通じて米国債の「常時稼働」市場実現に向けた計画を明らかにした。ブルームバーグが同日報じた。
BNYが今年手がけた時間外の国債取引には、ステーブルコイン発行体2社が関わった。フェドワイヤーの業務終了後に実施された取引で、BNYはその仲介役を担った。
参加したのはリップルのRLUSDと、資産運用会社ドレイファスがオープンエデンの代理として関わったUSDOの2銘柄だ。両ステーブルコインとも短期国債を裏付け資産としており、電子取引プラットフォームのトレードウェブ・マーケッツで執行後、通常の現金決済で処理された。
この取り組みの背景には、仮想通貨市場の構造的な問題がある。ステーブルコインやトークン化された国債ファンドは短期国債を担保資産として利用しているが、これらが連動する仮想通貨市場は24時間稼働している。一方で国債の決済インフラの多くは従来の営業時間に縛られており、BNYはこの時間的なギャップを埋めるべく今回の計画を策定した。
計画の工程は2段階だ。まず2026年末までに自社プライベートブロックチェーン上でトークン化国債の試験取引を実施する。翌2027年には通常の米国債とトークン化国債の双方で24時間決済への対応を完成させる方針で、書簡ではプログラマビリティの付与や透明性向上、決済タイミングの予測精度改善をもたらすとの見解を示した。
BNYのプライベートブロックチェーンは、フィンテック企業デジタルアセット社が開発するカントン・ネットワーク上に構築されたパーミッション型台帳だ。同行が単独で管理する閉鎖型ネットワークで、実物資産のデジタル表現となるトークンを記録し、メインの銀行台帳と同期させる仕組みを採用している。
カントン・ネットワークは各金融機関が独自のプライベートノードを運用しながら、他の銀行や取引所と時間外に資産移動や決済を行える「ネットワーク・オブ・ネットワーク」型の設計だ。これにより、BNYは機関投資家向けの規制準拠を維持しながら、ステーブルコイン発行体が必要とする時間外の担保管理にも対応できる体制を構築している。
BNYの決済規模は全ネットワーク合計で1日2兆5,000億ドルの資金移動、日次平均決済高は24兆3,000億ドルに及ぶ。データ提供会社rwa.xyzによれば、トークン化資産全体の市場規模は2025年以降400%超の成長を記録し、足元では約350億ドルに達した。
同行は今年中に連邦準備制度が認可する有価証券を対象とした従来型の決済ネットワーク拡張に着手し、最終的に米国・欧州・アジアの各取引時間帯を通じた24時間対応を目指している。