英大手銀行スタンダードチャータードは7月1日、DeFi(分散型金融)貸し借りプロトコルのモルフォ(Morpho)に関する初の調査レポートを発表し、ネイティブトークン(MORPHO)の2030年末目標価格を60ドルに設定した。The BlockやCoinDeskなどが報じた。
スタンダードチャータードのデジタル資産調査グローバル責任者ジェフ・ケンドリック氏は顧客向けレポートで、MORPHOを2026年末に3.50ドル、2027年末に11ドル、2028年末に22ドル、2029年末に40ドルと段階的に引き上げ、2030年末には60ドルに達するとの見通しを示した。
また、2030年末の60ドルは報道時点の取引価格2ドル台から約30倍の上昇余地を意味し、同行は同期間のビットコインとイーサリアムのリターンをともに上回ると試算した。
モルフォは2021年創業のDeFi貸し借りプロトコルで、イーサリアム上で動作している。分離型の貸し借り市場を構築する基盤層『モルフォ・マーケッツ』(旧称モルフォ・ブルー)と、専門のキュレーターが複数市場に資産を配分する管理インフラ「モルフォ・ヴォールツ」の2層構造が特徴で、コインベースの仮想通貨担保ローンやジェミナイ、ソシエテ・ジェネラル・フォルジュなど機関投資家向けの統合実績も持つ。
ケンドリック氏はレポートで「モルフォはアーベ(Aave)に次ぐDeFi第2位の貸し借りプロトコルであり、財務基盤も盤石だ」と評価。同行は2030年末までにDeFi全体の展開資産が37倍に拡大するとの見通しを持っており、モルフォはこの成長と歩調を合わせてスケールできる体制にあるとした。
また、直近に完了した1億7,500万ドルの資金調達ラウンドがその財務基盤を裏付けると指摘した。
モルフォの両事業の現況として、貸し借りプロトコルのモルフォ・マーケッツは約55億ドルの預入金を保有し、アーヴの約4分の1の規模に達している。機関投資家向けオンチェーン資産管理インフラのモルフォ・ヴォールツには43億ドルの残高がある。
60ドル目標の実現にはモルフォ・ヴォールツが伝統金融に連動した資本を引き込めるかが鍵になるとスタンダードチャータードは指摘した。ファイアーブロックス、アンカレッジ、タウラスとの保管・流通面での連携が機関投資家の流入経路を整える見通しで、ヴォールツ・キュレーターのスティークハウス・ファイナンシャルはすでに約20億ドルの資産を管理し、オンチェーン資産配分の主要な窓口になっているとした。
一方で、モルフォは現在テイクレートを0%に設定し、すべての貸し利息を預金者に還元している。ユニスワップやアーベがすでにプロトコル手数料を導入していることを踏まえると、将来的な手数料導入による収益余地は大きいとみられる。