英国の金融行為規制機構(FCA)は29日、仮想通貨包括規制の最終政策声明を公式サイトで公表したと、仮想通貨メディアのザ・ブロック(The Block)が報じた。
2027年10月25日に発効する同規制の詳細ルールが示された。健全性要件、市場不正規制、ステーブルコイン規制の3本柱で構成されており、英国で仮想通貨事業を営む企業に対し、取引所・カストディ・ステーブルコイン発行・貸借・ステーキングを含む幅広い活動への認可取得を義務付ける。
FCAは今回の枠組みについて、リスクが類似する既存の金融サービス規制を参照しつつ、行動規範・業務継続性・消費者保護の基準を仮想通貨分野全体に横断的に適用するものだと説明した。
FCAの決済・デジタルファイナンス担当エグゼクティブ・ディレクターのデビッド・ジール(David Geale)氏は「今回の枠組みは英国の仮想通貨規制における重要なマイルストーンであり、事業者に規制の確実性を提供しながら、イノベーションの余地も残す設計になっている」と述べた。
市場不正規制の分野では、インサイダー取引および市場操作を禁止するルールが導入される。大規模な仮想通貨取引プラットフォームの運営者に対しては業界主導のアプローチを採用する一方、オンチェーン監視義務の範囲を絞り込み、インサイダー情報の開示要件と仲介業者への通知要件を整理した。
また、取引所への上場時には開示書類の提出を義務付けるとともに、従来認められていた上場例外措置を廃止した。
リスク資産の自己資本要件については、従来の2段階分類に代えて、適格仮想通貨に対して一律40%のネット・リスク・ポジション要件と40%の取引相手方デフォルト時ボラティリティ調整を適用する単一基準に改めた。
ステーブルコイン発行体には、裏付け資産の管理、保護措置、償還手続き、顧客向け開示に関する規則が設けられる。業界からの意見を反映し、FCAは裏付け資産の償還予測義務を撤廃したほか、セーフガード措置を前提としたグループ内カストディ(上限5%)を認めた。
健全性規制では、ステーブルコイン発行体に課す自己資本の計算係数を、業界からの要望を受けて2%から1%に引き下げた。
FCAは2026年9月30日から2027年2月28日までの間、認可申請を受け付けると発表した。また、申請準備を支援する事前相談サービスを7月から開始する。
既存のマネーロンダリング規制に基づく登録は新制度への自動移行が認められておらず、規制対象となる仮想通貨活動を行う企業は新たにFCAの認可を取得する必要がある。2027年10月の新制度発効まで、FCAによる仮想通貨事業者への監督は、金融広告および資金洗浄防止要件に限定される。
今回の最終政策声明は、2026年2月4日に議会で成立した「金融サービス・市場法2000(仮想通貨資産)規制2026」に基づくもので、EU(MiCA規制)や米国(ジーニアス法など)と並ぶ主要な仮想通貨規制整備の動きの一環として位置付けられる。