ロイターが伝えたところによると、ジンバブエが仮想通貨事業者を対象とする初の登録制度を導入した。ムトゥリ・ンクベ財務相が6月12日に省令に署名し、デジタル資産の売買・送金・保管・取引仲介を手がける企業は金融情報機関(Financial Intelligence Unit)への登録が義務付けられた。登録料は500ドル、年間更新料は400ドル。無登録でサービスを継続した事業者は刑事訴追の対象となる。
金融情報機関はジンバブエ準備銀行傘下のマネーロンダリング対策機関。登録証明書の有効期間は1年で、事業者間の譲渡は認められない。証券法が適用されるサービスを提供する企業は、ジンバブエ証券取引委員会の承認も別途必要となる場合がある。今回の規制はデジタル資産を扱う「事業者」を対象としたもので、ビットコインなど仮想通貨そのものを法定通貨として認めるものではない。
ジンバブエが仮想通貨に厳しく向き合ってきた背景には、長年の通貨不信がある。2000年代後半に深刻なハイパーインフレが発生し、国民の貯蓄や年金が実質的に消滅した。政府は2009年に自国通貨を廃止し、その後も複数の通貨改革を断行。2024年にはジンバブエ・ゴールド(ZiG)を導入するなど、金融システムへの信頼回復を模索してきた。
こうした状況のなか、同国準備銀行は2018年に銀行・金融機関に対して仮想通貨取引の仲介を禁じた。ただし取引需要は消えず、ピアツーピア(P2P)プラットフォームやSNSを通じた非公式取引が拡大した。
今回の登録制度は銀行制限を撤廃するものではなく、規制外で成長した市場を監督下に置くことを目的としている。登録費用を低く設定した点は、非公式業者の制度圏内への誘導を意識した設計とみられる。
アフリカ大陸では南アフリカ・ナイジェリア・ケニア・モーリシャスが相次いで仮想通貨の規制枠組みを整備しており、ジンバブエもこの流れに続く形となった。


