南アフリカ高等裁判所は1日、ビットコインが同国の外国為替管理規制における「資金」かつ「資本」の両方に該当するとの判断を示した。
スチュアート・ウィルソン判事が担当した本件では、仮想通貨トレーダーのスクエア・マングンドラ氏とフンガイ・ダンガイソ氏が、外為規制に基づく没収命令の取り消しを求めた申し立てを棄却した。
両者は2018年1月から2020年3月にかけて南アフリカ国内で購入した約1,680ビットコインを海外の仮想通貨取引所ウォレットへ移転。
ウィルソン判事は、財務省の承認なく仮想通貨を通じて海外に資産を移動できるとすれば外為規制の目的が失われるとして、準備銀行の主張を認め、両者の口座に保有されていた約600万ランド相当の没収命令を支持した。
なお、マングンドラ氏は2015年4月から2017年12月までは適法に仮想通貨取引を行っており、準備銀行が問題視したのは2018年1月以降の取引パターンへの変化だった。
ダンガイソ氏本人は仮想通貨取引を行っておらず、マングンドラ氏が自身の口座の取引上限を回避する目的で同氏のアカウントを使用していた。
今回の判決は、2025年にプレトリア高等裁判所が示した判断と直接矛盾する。卸売業者レオ・キャッシュ・アンド・キャリーの仮想通貨取引が外為規制違反にあたるかが争われた「Standard Bank of South Africa v South African Reserve Bank」事件で、マンドレンコシ・モタ判事は仮想通貨は外為管理法上の「資金」にも「資本」にも該当しないと結論付け、没収処分を取り消していた。準備銀行は同判決を不服として控訴しており、執行は現在停止中だ。
ウィルソン判事は今回、この先行判決を「明らかに誤り」と批判し、仮想通貨の技術的側面に過度に依拠した解釈だと否定した。
同一の規制に対して高裁レベルで相反する解釈が並立したことで、ビットコインが南アフリカの外為規制上いかなる法的地位を持つかは上位裁判所による統一判断待ちの状態となった。仮想通貨を利用した資産の国外移転が規制の対象となるかどうかは、今後の司法判断の行方に左右される。