*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI( @Nishi8maru )氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
ビットコイン(BTC)は6月1日以降、下落基調が続いており、4日昼頃には約3カ月ぶりに1,000万円を割り込んだ。
背景には、経営破綻したマウントゴックス(Mt. Gox)による大規模な資金移動がある。一昨日、約1万306BTC(約7.3億ドル/1,168億円相当)が新たなウォレットへ送金されたことが判明したほか、その後Bitstamp向けに116.3BTC(約732.7万ドル/11.7億円相当)が移動したことも確認された。市場では債権者への返済や売却につながる可能性が意識され、警戒感が強まっている。
加えて、主要な暗号資産(仮想通貨)トレジャリー企業では、仮想通貨価格下落に伴う含み損の拡大が進んでいる。財務基盤の脆弱な企業に対しては仮想通貨売却や存続リスクも意識され始めており、市場心理の悪化につながっている。
今回の下落局面では、前日に見られたデリバティブ主導の売りとは異なり、現物市場を中心とした売り圧力が確認されている(下画像青枠)。
デリバティブ市場においても、アクティブOI(成行注文による未決済建玉)は直近8時間で比較的落ち着いた推移となっており、先物市場主導による大規模な清算連鎖は一服している状況である。
オーダーブック(板情報)を見ると、主要な流動性帯を除き板が薄い状態が続いている。買い注文・売り注文ともに厚みが限定的であり、比較的小規模な注文でも価格が大きく変動しやすい環境となっている。このため、今後もボラティリティの高い相場展開が続く可能性がある。
今回の急落は、ストラテジー社による一部売却観測、SpaceXの大型IPO観測、クラリティ法案を巡る先行き不透明感といった既存の悪材料に加え、新たに
Mt. Goxの資金移動に伴う売却懸念が市場の不安材料として浮上したことが要因と考えられる。
ビットコインは一時6万1,000ドル近辺まで下落しており、年初来安値圏である6万ドル水準が意識される展開となっている。市場全体の流動性は依然として薄く、特に米国時間の仮想通貨ETF取引開始前後は需給が大きく変化しやすい。短期的には価格変動が拡大する可能性が高まっている局面にある。