米財務省のスコット・ベッセント長官は5月30日、カリフォルニア州シミバレーで開催された2026年レーガン国家経済フォーラムで、イラン政権に関連する仮想通貨の押収総額が約10億ドル(1,600億円相当)に達したと明らかにした。
「約10億ドルの仮想通貨を押収したと確信している。ウォレットを直接差し押さえた」とベッセント長官は述べた。「今この瞬間も、押収されたと気づかずにウォレットへのアクセスを試みているイラン側の人物がいるかもしれない」とも語った。
4月29日時点でベッセント長官は押収額を「約5億ドル」と発言していた。5月22日の時点でも凍結総額を「約5億ドル」と説明しており、先月だけで3億4,400万ドルを凍結したとしていた。約1か月で押収総額が倍増した計算となる。
ベッセント長官はイランが制裁回避を通じて月4〜5億ドルを窃取していたとの見方を示した。「これはイラン国民から盗まれたお金だ」と同長官は語った。米政府はこれら一連の押収を「オペレーション・エコノミック・フューリー」の一環と位置づけている。
こうした押収・凍結の動きは複数の手段に及んでおり、4月24日にはステーブルコイン最大手テザー社が米外国資産管理局(OFAC)と連携し、トロン基盤のUSDT約3億4,000万ドルを凍結した。ブロックチェーン分析企業チェイナリシスは2025年時点のイランの仮想通貨保有額を78億ドルと試算しており、その約半数をイラン革命防衛隊(IRGC)が管理しているとしている。
ベッセント長官はフォーラムの場で、欧州の同盟国と連携してイラン関連の高級不動産や海外金融資産の差し押さえも進めていると話した。