カナダのアルバータ州投資管理公社(AIMCo)が、2026年第1四半期に米ストラテジー(MSTR)の株式を大規模に取得したことが明らかになった。米証券取引委員会(SEC)に提出された13F報告書によると、同ファンドは約1億7,247万ドル(267億円)を投じて138万2,000株を購入している。
この取得における1株あたりの平均コストは約125ドルと算出されており、MSTR株が約175ドルまで上昇した現在、その保有価値は約2億4,100万ドルに達している。この結果として同ファンドはすでに約6,900万ドル(108億円相当)の未実現利益を抱えており、同機関にとって初のビットコイン関連投資は好調なスタートを切った。
AIMCoはアルバータ州の公共部門年金プランなどを運用し、1,400億ドル以上の資産を管理するカナダ最大級の機関投資家として知られている。同ファンドは2019年から2020年半ばにかけて少額のMSTR株を保有していたが、マイケル・セイラーCEOがビットコイン戦略へ舵を切った直後の2020年9月に一度全株式を売却していた経緯がある。
今回の再投資の動向が判明した「13F」は、1億ドル以上の米国株式を保有する機関投資家に対して四半期ごとのポジション開示を義務付ける報告書である。これにより、保守的な運用を基本とする巨大年金基金が再びストラテジーを通じた仮想通貨市場へのエクスポージャーを求めていることが公的に確認された。
AIMCoによる株式取得は特異な動きではなく、過去1年間でカナダの複数の大手機関投資家がストラテジーのポジションを構築している。カナダ国立銀行は約2億7,300万ドル相当となる約147万株を保有しており、カナダ年金制度投資委員会(CPPIB)も約1億2,700万ドルに上る39万3,322株のポジションを新たに開示している。
さらにカナダ王立銀行(RBC)も保有額を2億3,000万ドル規模へと拡大させており、オンタリオ州医療年金プランも3,100万ドルの株式保有を明らかにした。これら国家規模の年金基金や主要銀行が足並みを揃えてMSTR株を買い集める動きは、北米の伝統的金融機関における新たなトレンドを形成している。
このような投資パターンの背景には、機関投資家が直接ビットコインを保管するリスクを避け、株式を代替手段(プロキシ)として好む傾向がある。厳格な規制下にある年金基金などはコンプライアンスや会計上の要件が厳しいため、既存の金融システムに組み込まれた上場企業を通じて安全に市場の成長を取り込もうとしている。


