*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI( @Nishi8maru )氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
ビットコイン( BTC )は2日連続で続伸した。
米国とイランが2週間の停戦に合意した後も、イスラエルによるレバノンへの攻撃は継続しており、中東情勢を巡る地政学リスクは依然として高い状態にある。加えて、エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡では航行が限定的な状況となっており、市場の緊張感はなお強い。そのなかで、一部ではホルムズ海峡の通行料支払いにビットコインが利用されていることが判明し、これが材料視されて買いを誘った格好である。
加えて、米原油先物市場では、トランプ政権が海上輸送中のロシア産原油および石油製品の購入を認める措置を延長する見通しが報じられ、原油価格は反落した。エネルギー価格の上昇圧力が和らいだことも、ビットコイン相場の下支え要因となっている。
デリバティブ市場を見ると、成行注文を伴うアクティブOI(未決済建玉)が増加しており、価格上昇局面においてショートポジションを積み増す動きが確認される。(下画像赤枠)。これは戻り売りや打診売りを入れる参加者が増えていること示唆し、相場がさらに上振れた場合にはショートカバーが発生しやすい構造にある。
また、デリバティブ市場に目を向けると、ファンディングレートはショート方向に傾斜している。これに加え、成行注文を伴うアクティブOI(未決済建玉)の増加も確認されており、上昇局面に対して戻り売りや打診売りを入れる参加者が増えていることがうかがえる。そのため、相場の上振れ局面ではショートカバーが発生しやすく、上昇圧力が強まりやすい地合いにあるといえる。
足元の成行注文動向を見ると、現物市場での買いが優勢となっており、相場はデリバティブ主導ではなく、現物主導の上昇に移行しつつある(下画像青枠)。
オーダーブック(板状況)を見ても、現値近辺の上下いずれにも厚い注文は乏しい。流動性が薄い中では、わずかな成行注文でも価格が大きく動きやすく、短期的にはボラティリティが高まりやすい状況にある。
足元のビットコイン相場は、地政学リスクの高まりが継続する一方で、原油市場の反落が支援材料となっている構図である。
市場全体の流動性はなお薄く、打診的なショートも積み上がっている。そのため、イラン情勢やホルムズ海峡の動向といった外部要因には引き続き注意が必要であるものの、内部構造に限ってみれば、相場は上昇に振れやすい局面にあると判断される。