大手予測市場プラットフォームのポリマーケット(Polymarket)は2日、伝統的金融資産(TradFi)市場の拡充に向け、リアルタイム価格配信ネットワーク「パイス・プロ(Pyth Pro)」を統合した。同プラットフォームは、金や銀、主要株価指数、および個別米国株を対象とした新たな予測コントラクトの価格参照元としてパイスを採用する。
今回の統合により、ポリマーケットはウェブソケットを通じて秒単位での価格更新を行い、透明性の高いライブチャートをトレーダーに提供することが可能となった。パイス・プロはジャンプ・トレーディング(Jump Trading)やジェーン・ストリート(Jane Street)といった世界有数の取引会社から直接提供されるファーストパーティデータを利用しており、機関投資家級の信頼性を担保している。
データの重要性
具体的に、各予測イベントの勝敗(決着)はパイスが配信する価格データを「唯一の正解(ソース・オブ・トゥルース)」として機械的に判定される。例えば金価格の騰落予測では、指定時刻におけるパイスの配信価格が予測ターゲットを上回ったか否かが直接的な決着の根拠となり、人為的な介入を排した透明性の高い清算(セトルメント)を実現している。
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提携の背景には、ニューヨーク証券取引所(NYSE)の親会社であるインターコンチネンタル取引所(ICE)による強力な資本的支援が存在する。ICEは3月27日に6億ドルの追加出資を完了しており、同社によるポリマーケットへの累計投資額は16億ドル(約2,400億円)規模に達している。
高品質なデータ統合は、数百万ドル単位のポジションが動く予測市場において、ユーザーの信頼基盤を構築する上で不可欠な要素となっている。ポリマーケットは、これまで高額な手数料が必要だった従来のデータベンダーに依存せず、コスト効率の高いパイスの配信網を活用することで、コモディティや米国株市場への本格参入を加速させる。
ポリマーケットのプロダクトリードを務めるムスタファ・アルジャデリ氏は、真相(ファクト)の拠り所となるデータソースへの絶対的な信頼が、金融市場への拡大には不可欠であると指摘している。同氏はパイスの採用について、機関投資家向けの貴金属や株式データを低コストで取得できる点を強調し、今後の提携関係の深化に期待を寄せた。
一方で主要国の規制当局による監視も強まっており、AIデータ分析企業パランティア(Palantir)との提携を通じた監視体制の強化や、インサイダー取引防止規則の整備が進められている。