米共和党のマックス・ミラー下院議員と民主党のスティーブン・ホースフォード下院議員は26日、「デジタル資産パリティ法」の議論草案を公開した。
仮想通貨関連のロビー団体「デジタルチェンバー」は翌27日に草案公開を歓迎する声明を発表している。
法案はまだ議会に正式提出されておらず、議員・業界関係者との議論を経て内容が確定する流れとなる。仮想通貨パリティ法の初版草案は当初2025年12月に公開されており、今回は改訂版の公開となる。
草案の主要条項は以下の通りだ。第1に、ジーニアス法に基づく認可発行者が発行し、取得価格が1ドルの99%以上(0.99ドル以上)であるステーブルコインは、売却時の損益を認識しない非課税扱いとなる。
第2に、パッシブステーキングで取得した仮想通貨について、納税者は受領時の課税を選択した課税年度から最長5課税年度間繰り延べることが可能で、繰り延べ後の売却益は長期キャピタルゲインとして扱われる。
第3に、仮想通貨にもウォッシュセール規制を適用し、30日以内の売買を通じた人為的な損失計上を防止する。
法案が成立した場合、ステーブルコインを日常決済に活用する消費者の申告負担が大幅に軽減される。
また「パッシブステーキングは事業に該当しない」と明記されたことで、個人投資家のステーキング所得に対する事業所得課税リスクが排除される。さらにビットコイン現物ETFなど仮想通貨投資信託の受託者がステーキングを行う権限についても、投資方針の変更とみなさないと規定しており、機関投資家向け商品の設計自由度が広がる。
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現行の米国税法では、どれほど少額の仮想通貨取引でも課税対象となり得る。IRSは2024年10月のガイダンスでステーキング・マイニング報酬を受領時に所得課税する方針を示しており、業界からは「実現していない利益への課税」として強い反発を招いていた。
デジタルチェンバーは「現代的な税制の枠組みは米国のイノベーション維持に不可欠だ」と草案を歓迎した。一方、ビットコイン( BTC )には非課税条件が設けられておらず、少額のBTC決済でも課税対象となる現状は変わらないため、業界内で設計の公平性を問う声も上がっている。
デジタル資産パリティ法は膠着中のクラリティー法と並行して審議が進む見通しだ。仮想通貨の「積極的取引」の定義として時価総額100億ドル以上・年間取引高5,000万ドル以上という具体的な数値基準が盛り込まれており、対象資産の範囲をめぐる議論が今後の焦点となる。
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