*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI( @Nishi8maru )氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
ビットコイン( BTC )は27日、対円で一時約50万円幅下落した。背景には、イランと米国の和平交渉が難航していると伝わったことで中東情勢への警戒感が再び強まり、原油価格が上昇したことがある。原油高は、ビットコインのマイニングに必要な電力コストの上昇につながるため、マイナーの採算悪化懸念を通じて相場の重しとなりやすい。
加えて、27日は四半期に一度の主要デリバティブ満期が重なる日でもある。CMEのビットコイン先物3月限に加え、Deribitの月次オプションなど、複数の主要取引所で先物・オプションの満期を迎えることから、市場では「ビットコインのメジャーSQ」とも言うべき重要なタイミングとして意識されている。
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先物市場を確認すると、期近物の価格は現物価格を下回って推移しており、ショートカバーが発生しやすい地合いとなっている(下画像赤枠)。
成行注文の動向を見ると、デリバティブ市場では売り圧力が優勢となっている(下画像青枠)。
また、オプション市場に目を向けると、本日17時に約2兆円規模の満期を迎えるDeribitにおいて、コールポジションの減少が確認されている。加えて、PCR(プット・コール・レシオ)も上昇しており、投資家心理が弱気に傾いていることがうかがえる(下画像黄矢印)。
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現状、ビットコインは地政学リスクの高まりの中で「無国籍資産」としての存在感を示しているものの、原油価格の上昇が続く場合には、マイナーの採算悪化を通じて下落圧力が強まりやすい構図にある。今後は、イラン情勢に加え、原油価格を左右するホルムズ海峡の動向を注視する必要がある。
また、本日はビットコインのメジャーSQにあたり、ポジション整理が一斉に進むことで、ボラティリティ上昇の可能性が高く、短期的には値動きの荒さに十分な注意が必要である。
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