*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI( @Nishi8maru )氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
ビットコイン( BTC )は、3月6日から7日にかけて下落し、値幅は一時50万円程度に達した。
背景には、原油先物価格が2年5カ月ぶりに90ドル台を記録したことがある。これにより、米金融政策の再引き締めへの警戒が強まったほか、電力コスト上昇を通じてビットコインのマイニング事業の採算悪化も意識され、相場の重荷となった。
加えて、6日に公表された雇用統計が約5年ぶりの低水準となったことで、米国経済に対する先行き不安が拡大した。景気後退とインフレが同時に進行するスタグフレーションへの警戒が浮上し、市場全体でリスクオフ姿勢が強まったことも、ビットコインの下落を後押しした。
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成行注文の動向を見ると、現物市場を中心に継続的な売りが観測されている(下画像青枠)。
一方、板情報(オーダーブック)を見ると、現値より低い価格帯には厚い買い指値が並んでおり、流動性の面では急落しにくい地合いにある。
また、オプション市場ではPCR(プット・コール・レシオ)の低い状態が続いている。これは、投資家態度が依然として強気方向を維持していることを示唆するものである。
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足元では原油市場の急騰が目立っており、市場全体にコストプッシュインフレへの懸念が広がっている。その結果、金融引き締めへの警戒に加え、マイニング事業の収益性悪化懸念を通じて、ビットコインには下押し圧力がかかった格好である。こうした構図は、ウクライナ戦争時にロシア制裁を受けた液化天然ガス価格高騰局面でも見られたものである。
ただし、暗号資産市場では株式市場ほどのパニック的な売りは発生していない。イラン情勢の悪化を背景に、ビットコインが無政府資産として一定のリスクヘッジ需要を集めたことが相場の下支え要因となったとみられる。実際、投資家態度はなお強気を維持しており、相場の地合いが大きく崩れたとは言い難い状況である。
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