インターファクスが5日に報じたところによると、ロシア中央銀行のエルビラ・ナビウリナ総裁は金融機関との年次会合で、銀行および証券ブローカーが届出手続きのみで仮想通貨取引所ライセンスを取得し、既存の銀行免許を活用して仲介業務を行えるようにする方針を提案した。
同提案では、銀行が仮想通貨分野で引き受けるリスクを自己資本の1%以内に制限する上限が設けられる。ナビウリナ総裁は「まず1%の上限内で銀行の運用実績を見極めたうえで、次のステップを判断する」との考えを示した。また、適格投資家による仮想通貨取得は上限なしで認め、非適格投資家は年間30万ルーブルまでを1つの仲介業者経由で購入できるとする投資家区分も盛り込まれている。
今回の提案は、2025年12月末にロシア中央銀行が政府に提出した仮想通貨規制の基本概念に基づくものだ。同概念では、デジタル通貨とステーブルコインを売買可能な通貨資産として位置付けつつ、国内決済での使用は引き続き禁じる方針が示されており、取引所・ブローカー・受託者は既存免許のもとで業務を行える枠組みが描かれている。
財務省のイワン・チェベスコフ副大臣は、関連法案を3月に国家議会(下院)へ提出し、今春の会期中に成立させる意向を示している。
銀行がAML・テロ資金供与対策(CFT)で培ったコンプライアンス体制を仮想通貨市場にそのまま適用できる点が、今回の枠組みの核心だ。既存の金融インフラを流用することで、新たな監督コストを抑えながら規制の空白を埋める狙いがある。モスクワ証券取引所とサンクトペテルブルク証券取引所も、規制発効後に仮想通貨取引サービスを開始する準備を進めているとされる。
ナビウリナ総裁は「銀行が持つAML・CFTの豊富な経験が、仮想通貨市場の合法化後に顧客保護に役立つと期待している」と述べ、仮想通貨リスクを段階的に管理しながら制度整備を進める姿勢を強調した。
仮想通貨取引所法は2026年7月1日の発効を目標に今春の国家議会での審議が予定されており、財務省はステーブルコインをビットコインなどとは別軸で規律する独立法案の検討も公表していることから、デジタル資産全般の法的地位を包括的に整備する動きが加速している。
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