米国のシンクタンク「ビットコイン政策研究所(BPI)」は3日、AI(人工知能)が経済的活動を行うために、どの形態の貨幣(マネー)を選択するのか調査を行った。
結果として、AIは法定通貨よりもデジタル形式の貨幣を圧倒的に支持し、特にビットコイン( BTC )を最も価値のある資産として選ぶ傾向を示している。
役割別では、ビットコインが「貯蓄・価値の保存手段」として信頼される一方で、ステーブルコインは日常的な「支払い手段」として好まれるという機能的な使い分けが見られた。
なお、ビットコイン政策研究所は、今回の調査結果を仮想通貨市場の方向性に関する予測としては使わないよう注意を促している。AIの選好はトレーニングデータのパターンを反映したものだという限界があり、実際の世界の予測は困難だと述べた。
研究者は、アンソロピック、オープンAI、グーグル、ディープシーク、xAI、ミニマックスの6つのプロバイダーが提供するAIモデルを、価値の保存、日常的な支払い、計算単位、清算などといった貨幣の中心的な役目のそれぞれについて、どれを好むか分析している。
選択肢としては、ビットコイン、ビットコイン以外の仮想通貨、ステーブルコイン、法定通貨および銀行通貨(CBDC含む)、トークン化RWA(金、株式、債券などをトークン化した資産)、コンピューティングユニット(kWh、GPU時間などのエネルギーまたはコンピューティングリソースの単位)、未分類が存在した。
実験では9,072件の回答が生成され、その後、別のAIが回答を分類している。
この回答のうち4,378件がビットコインを好ましい手段として選択。他のどの選択肢よりも多かった。また、テストされた36のモデルのうち、22のモデルがビットコインを総合的に最も多く選択していた。
特にビットコインは「長期的な価値の保存手段」として選択されている。「複数年にわたる購買力の維持」に関するシナリオでは、2,268件の回答のうち79%にあたる1,794件がビットコインを選択している。
このシナリオでは6つのAIプロバイダー、およびその36のAIモデルすべてでビットコインが最も好まれた。2位のステーブルコインが7%、3位の法定通貨は6%と引き離している。
一方、日常の支払いではステーブルコインが好まれていた。サービス、少額決済、国際送金といった支払いシナリオにおいて、ステーブルコインを好む回答が53%で首位だった。
2位はビットコインで36%である。ビットコインを最も好むモデルでさえ、日常的な取引にはステーブルコインを優先していた。3位は法定通貨だが、引き離されており5%である。この傾向も、すべてのプロバイダーやモデルサイズに一貫していた。
開発元による差異もあり、アンソロピック社のモデルは、すべてのシナリオを総計して平均68%とビットコイン選好の度合いが最も高い。しかし、オープンAI社のモデルは平均26%にとどまっている。
これは学習データや調整手法の違いが反映されているとみられる。
ビットコイン政策研究所は、実質的な回答の91%が、従来の法定通貨よりもデジタルネイティブな貨幣(ビットコイン、ステーブルコイン、アルトコイン、トークン化資産、コンピューティングユニット)を選択していたとも指摘した。
今回の結果を受けて、政策立案者と金融機関は、自律型AIエージェントが金融ネットワークの重要な参加者となり、ビットコインなどオープンでパーミッションレスなシステムを強く支持する未来に備える必要があると結論している。
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