米大手仮想通貨取引所クラーケンの銀行部門であるクラーケン・フィナンシャルが、米連邦準備制度(FRB)のマスター口座を取得したことが4日に明らかになった。
マスター口座の取得により、クラーケンは民間の中継銀行を介することなく、FedwireやACHなどのFRBが提供する決済サービスに直接アクセスすることが可能となる。これにより、運用の効率化とコスト削減が実現する。
今回の承認は、同社が2020年にワイオミング州の特別目的預託機関(SPDI)として認可を受けてから、約6年越しの悲願達成となる。これまで多くの仮想通貨関連企業がFRB口座の取得を試みてきたが、認められたのはクラーケンが初めてだ。
市場関係者は、この進展が仮想通貨企業に対する「銀行拒絶」の時代の終焉を象徴するものと見ている。伝統的な金融インフラの核心部へ直接接続できることは、カウンターパーティリスクを劇的に低減させる効果を持つ。
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一方で、伝統的銀行業界からは強い反発の声が上がっている。全米独立コミュニティ銀行協会(ICBA)は、厳格な銀行規制の外にある機関へのアクセス開放は「経済に重大な危険を及ぼす」と強く批判した。
ウォール街の大手を代表する銀行政策研究所(BPI)も、FRBが手続きを無視して承認を強行したと非難。同団体は、今回の決定がパブリックコメントの結果を待たずに行われた「不透明なプロセス」であると指摘している。
クラーケン側は、今回の成果について「仮想通貨と伝統的金融の架け橋を築くための重要なマイルストーンである」とコメント。業界内では信頼性向上への期待が高まる一方、既得権益層との対立が激化する様相を呈している。
ビットコインが7.3万ドルを突破し市場が再び活気づく中、クラーケンのマスター口座取得は業界の構造的な進歩を裏付ける好材料となった。銀行システムとの真の統合は、仮想通貨の普及を加速させる決定的な一歩となるだろう。
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