AIエージェント向け金融インフラのスタートアップt54 Labsは25日、500万ドル(約7億8,000万円)のシードラウンドを完了したと発表した。ラウンドはAnagram、PL Capital、フランクリン・テンプルトンが共同でリードし、リップル、Virtuals Ventures、Blockchain Coinvestors、ABCDEが戦略的投資家として参加した。同社にとって初の外部資金調達となる。
2025年1月に設立されたt54 Labsは、AIエージェントが人間に代わって自律的に金融取引を実行する際に必要な、本人確認・リスク管理・コンプライアンスの基盤インフラを開発している。
同社が提供するプラットフォームの中核は「Know Your Agent(KYA)」と呼ばれる仕組みで、個人・法人向けのKYCプロセスをAIエージェントに応用したものだ。資金移動前に不審な取引をリアルタイムで検知するリスクエンジンも備えており、将来的には身元情報や取引履歴を基にエージェントへのクレジットライン提供も計画している。
インフラはXRP Ledger、ソラナ、Baseの複数チェーンに対応しており、特定のブロックチェーンに依存しないレール非依存型の設計が特徴だ。
また、コインベースのエージェント決済プロトコル「x402」向けにオープンソースのセキュリティレイヤー「x402-secure」も開発済みで、AIエージェント同士が人間の承認なしに決済を完結できる環境を提供している。
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今回の出資は、リップルがAIエージェントによる自律的な経済活動を見据えた戦略的な布石とみられている。
t54 Labsはすでに2月19日、XRP Ledger上でAIエージェントがXRPおよびRLUSDを使ってサービス料をアカウントなしで即時決済できる「x402ファシリテーター」を稼働させており、XRP Ledgerは機械間決済の新標準として存在感を高めている。
また同社は、リップルが支援するデジタル資産財務管理企業「Evernorth」との連携も発表している。Evernorthは機関投資家向けに10億ドル超のXRP保有を目指しており、XRP Ledger上でt54 Labsのインフラを活用した自律的な財務運用を計画している。
リップルXのマーカス・インファンガーSVPは「自律型システムはツールではなく、経済活動の参加者になりつつある。AIエージェントが決済・財務管理・資本市場で活動するにあたり、t54が構築する身元確認とリスク管理の基盤は不可欠だ」と述べた。
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