デジタル資産トレジャリー企業(DAT)のトレンドリサーチは、大量のイーサリアム( ETH )を取引所に送金した。保有量を大幅に削減し、未払い債務の返済に充当するとみられる。
同社は1日時点で、Aaveラップド・イーサリアムの形で約65万1,170ETHを保有していた。この残高は6日までに約24万7,080ETHまで減少し、1週間足らずで約40万ETH以上を暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスに送金している。
さらにその後8日までに、トレンドリサーチは残りのほとんども送金完了。合計で651,757ETH(約2,100億円相当)をバイナンスに送って、売却した可能性がある。オンチェーン分析企業Lookonchainは、全体で最大約7.5億ドル(約1,200億円)の損失になったと推測した。
イーサリアムは先週の1週間で約30%下落しており、担保の関連で売却の必要性が高まっていたとみられる。
Lookonchainによると、トレンドリサーチは1,698ドルから1,562ドルの間で複数の清算水準に直面していた。イーサリアム価格がさらに下落すると、レンディングプラットフォーム上で自動担保売却が行われる可能性があった。
トレンドリサーチは、昨年10月にトランプ関税ショックにより市場が下落する中、イーサリアムの積極的な買い増しを開始していた。非公開企業であるため、ほとんどのトレジャリー企業トラッカーには掲載されていないものの、昨年12月時点で世界最大のETH保有者にランクインしていたこともある。
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今回の売却に関わらず、トレンドリサーチの立ち上げメンバーであるジャック・イー氏は長期的には強気の姿勢を示しており、タイミングを見て再び購入するとしている。イー氏は次のようにXに投稿した。
「次の強気相場の機会について楽観的な見方を維持している」とも続けた。今後は、リスクをコントロールしながら買いを待つつもりだとも述べている。
現在、特にビットコイン半減期に伴う仮想通貨市場の4年サイクル論について、コミュニティでは議論が分かれているところだ。ETFやDATなどを通じた機関投資家の役割拡大などを背景に、過去の市場とは違うと指摘する意見もある。
イー氏は、4年で強気相場と弱気相場を繰り返すサイクルが依然として有効だとの見方を表した格好だ。
一方、代表的なイーサリアム・トレジャリー企業であるビットマインは、含み損にも関わらず、今月に入ってからも下落相場でイーサリアム買い増しを行っている。
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