米国の大手ヘッジファンドスカイブリッジキャピタルの創業者アンソニー・スカラムチ氏が17日、仮想通貨市場構造法案における利回り付きステーブルコインの禁止を批判した。
同氏は「銀行がステーブルコイン発行者との競争を阻止しようと利回り提供を妨げている」と述べ、新興国が利回りのある決済システムを選ぶ可能性を指摘した。
中国人民銀行は1月から商業銀行にデジタル人民元(CBDC)の預金に利息を付与することを認めている。コインベースのブライアン・アームストロングCEOはこれまで、米国のステーブルコインへの利回り禁止が外国為替市場でドルをデジタル人民元より競争力の低いものにすると警告していた。
同氏は2週間前、「中国はステーブルコインに利息を付けることを決定した。これは一般の人々に利益をもたらし、競争上の優位性として認識されている」と発言した。また、「ステーブルコインへの報酬は融資を変えないが、米国のステーブルコインの競争力に影響する」と主張した。今回のスカラムチ氏の発言はアームストロング氏の批判にフォローする形で投稿された。
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ただし、中国のCBDCとの比較には疑問の声も上がっている。コインベースやサークル社は実際には収益源の確保を目指しているとの指摘がある。ジーニアス法案(2025年成立)はステーブルコイン発行者による利息支払いを禁止したが、取引所による「報酬」提供の抜け穴を残した。
中国がデジタル人民元に利息を認めたのは、実際には普及が進まなかったためとされる。利用者はウィーチャットペイやアリペイを好んでおり、これらのアプリはすでに現金投資による利息を提供していた。また、デジタル人民元は国の債務であり、民間のステーブルコインとは性質が異なる。
米大手銀バンクオブアメリカのブライアン・モイニハンCEOは14日、間接利回りを認めれば最大6兆ドルの預金が銀行システムからステーブルコインに移行する可能性があると懸念を示した。これは米国の商業銀行預金の約30%から35%に相当する規模だ。
しかし、テッククランチ創設者のマイケル・アリントン氏は、預金が移動するのは銀行が利息を支払わないからだと反論。ステーブルコインへの間接利回り提供が禁止されるのは、銀行のロビー活動により議会が米国民に不利な判断をするためだとも主張した。
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さらに、仮想通貨市場構造法案(上院版クラリティ法案)をめぐり、業界内で意見が分かれている。クラーケンのアルジュン・セティ共同CEOは法案推進への取り組みを支持すると表明した。リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOも、法案が消費者保護を維持しつつ実用的な枠組みを提供すると評価した。
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