ストラテジー社は26日、暗号資産(仮想通貨)ビットコインの価格が、同社のビットコイン( BTC )の平均購入価格である74,000ドル(約1,157万円)まで下落しても、転換社債に対して5.9倍の資産を保有していることになるとXに投稿した。
この数値を「債務のBTCレーティング」と呼んでいると説明。今回の投稿については、ビットコインの価格や仮想通貨財務企業全体の株価の下落に対する投資家の懸念を和らげる試みであるとの見方が上がった。
同社が保有しているビットコインの数量は本記事執筆時点で64万9,870BTC(9兆円相当)。ビットコイン財務企業として上場企業の中で世界最大の保有量を誇るが、最近はビットコインの価格や同社の株価の下落に対する懸念が広がっている。
今月には、同社がビットコインを大量に売却したとの憶測が広がり、マイケル・セイラー会長が否定したこともあった。
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26日のX投稿に合わせ、同社はBTCレーティングのウェブサイトのリンクも別に投稿している。ここには転換社債や優先株ごとのBTCレーティングを掲載。ビットコイン価格を閲覧者が入力することができるようになっていて、確かに1BTC=74,000ドルと入力すると、転換社債のBTCレーティングが5.9倍になる。
また、上記画像の「Years of Dividends」は、同社が保有するビットコインで配当と利息を支払うことができる年数。ビットコインが74,000ドルに下落しても配当などを60年支払うことができることを示している。
「Cointelegraph」によれば、Bitget Walletのリサーチアナリストであるレイシー・チャン氏は、ビットコイン価格が横ばいだったとすると、この支払可能期間は現実的だとの見方を示した。一方で、長期的には価格変動の大きさや規制などの不確実性に依存すると述べている。
ストラテジー社のビットコインの長期保有戦略や購入ペースは相場への影響力を持つとの見方が多く、同社の動向や財務力には注目が集まっている。
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また、今回の投稿では「1BTC=25,000ドル(約391万円)に下落してもBTCレーティングは2倍である」と投稿に書いていることも関心を集めている。
投稿時のビットコイン価格は87,000ドル前後で推移していたが、自発的に25,000ドルに言及したことで、同社の見方に警戒感が広がった。
なお、ストラテジー社の株価は、26日の終値で175.64ドル。前日比で2%上昇したが、本記事執筆時点では前年比54%超下落している。
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