ステーブルコイン覇権争い激化 テザーが過去最高益、USDCは機関投資家採用加速
ステーブルコイン最大手のテザーは10月31日、2025年第3四半期の監査報告書を公表した。年初来の純利益が100億ドル(1.5兆円)を超えたことが明らかになった。同社は7月時点で上半期利益が57億ドルだったと発表しており、第3四半期の利益は少なくとも43億ドルを超えた計算となる。
第3四半期にはUSDTが170億ドル以上新規発行され、流通総額は1,740億ドルを超えた。テザーのパオロ・アルドイノCEOは「世界的に困難なマクロ経済環境の中でも、テザーへの継続的な信頼と強さが証明されている」と声明で述べた。
また、テザーの米国債保有額は直接・間接を合わせて約1,350億ドルに達し、過去最高を記録した。これにより同社は世界的に見て米国債の最大保有者の1つとなり、韓国を上回って国別保有ランキングで17位に位置する。金とビットコインの準備金はそれぞれ129億ドルと99億ドルだった。
関連: テザーゴールド、時価総額3200億円に倍増金の価格高騰を受け
テザーは10月にセルシウスの訴訟和解を完了した。和解には自己投資資本を使用し、流通トークンを裏付ける準備金には影響を与えなかった。流通トークンの裏付け準備金はその時点で1,830億ドルを超えていた。
一方、JPモルガンは今週、サークルのUSDCがオンチェーン活動と時価総額の成長でテザーを上回っていると報告した。USDCの時価総額は1月の約430億ドルから現在約740億ドルへと72%増加し、同期間のUSDTの32%成長を大きく上回った。
JPモルガンのアナリストは、明確な規制枠組みと機関投資家の採用増加がUSDCの成長を後押ししていると指摘した。USDCの透明な準備金管理と定期監査が規制対象事業体の間で信頼性を高めており、欧州のMiCA規制への準拠が金融機関にとって選好されるステーブルコインとなっていると分析した。
関連: テザー今年2.3兆円の利益見込む、米国向け「USAT」は1億米国ユーザーへのリーチ目指す
関連: ステーブルコイン「USDC」の買い方、DeFi運用・使い方を徹底解説
関連: リップルのステーブルコイン「RLUSD」× 機関投資家向け戦略SBIとの協業も
仮想通貨市場の現状、センチメント冷え込み=CryptoQuant分析
CryptoQuantがビットコインとイーサリアムの週間市場レポートで投資家の慎重姿勢を指摘した。現物ETFや先物ベーシスなどの指標から市場のセンチメントが冷え込んでいると述べる。...
イオレがSBI VCトレードと提携、ビットコイントレジャリー事業強化へ
イオレがSBI VCトレードと提携し、法人向けサービスを活用したビットコイン取引・保管・運用を開始した。Neo Crypto Bank構想の実現に向けSBIグループとの初の具体的連携となる。...
チェンジHD、JPYCで地方創生へ ふるさと納税・インバウンド決済に円ステーブルコイン導入検討
チェンジホールディングスが日本円ステーブルコインJPYCを活用した地方創生に着手する。「ふるさとチョイス」での決済導入検討やインバウンド事業での実証実験を計画している。...
