日本初のステーブルコインJPYC始動 関連銘柄が急騰
日本初となる日本円建てステーブルコイン「JPYC」が、10月27日午後1時(日本標準時)より正式に発行を開始した。発行に合わせて、発行および償還の受付を行う専用プラットフォーム「JPYC EX」も公開された。対応チェーンはEthereum、Avalanche、Polygonで、今後順次拡大していく予定だ。
この発行を受けて、ステーブルコインやブロックチェーン関連銘柄が市場で急速に買われる展開となった。
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アステリアはJPYCへの出資企業として、JPYCの決済データをノーコードで連携できる「JPYCアダプター」を開発すると発表。ブロックチェーンを活用した企業間取引の効率化に取り組むなど、エコシステム内で重要な役割を果たしている。発行当日の10月27日には買いが集まり、株価は前日終値1,344円からストップ高の1,644円まで上昇した。
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電算システムホールディングスとユナイテッドもJPYC社に出資している企業で、JPYCの正式発行を受けて株価が上昇した。電算システムホールディングスは自治体や企業向けの決済インフラを手がけており、27日の取引では前日終値3,605円から4,015円で取引を終えた。ユナイテッドはベンチャー投資や広告事業を展開するIT企業で、同日の株価は前日終値528円から546円まで上昇した。
JPYCと直接の資本・業務関係はないものの、関連テーマとして買われた銘柄も目立った。
インタートレードは証券取引システムやブロックチェーン決済プラットフォームを開発しており、ステーブルコインを含むデジタル資産の流通基盤を支える技術を手がける。10月27日の取引では、前日終値786円から急伸し、ストップ高となる936円をつけた。
Speeeはデジタルマーケティング事業から派生し、ブロックチェーンやWeb3金融領域へと事業を拡大している。三菱UFJ信託銀行の「Progmat」プロジェクト(信託型ステーブルコインやデジタル証券の発行基盤)に技術パートナーとして参画した。同日の株価は前日終値2,408円から2,700円で引けるなど、前日比およそ12%高と強い値動きを見せた。
Unbankedは金地金販売が主力で、子会社を通じ金価格と連動する暗号資産も手掛ける。27日の取引では、前日終値452円から高値477円まで上昇し、関連テーマとして買いが入った。
今回のJPYC発行をきっかけに、出資企業だけでなく関連テーマ銘柄にも資金が集まった。ステーブルコインを軸としたデジタル金融市場の広がりが、日本株市場にも波及し始めている。
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