金価格、2020年以来の下落幅 ビットコインへ資金移動か
金の現物価格が火曜日に5.3%以上下落し4,125ドルとなった。前日に史上最高値の4,356ドルを記録した後の調整で、5年以上で最大の1日下落幅となった。
金先物は6%下落し4,105ドル付近となり、2013年以来の大幅な1日下落を記録した。銀の先物も一時8%以上下落し、2021年以来の下げ幅となった。
過去2カ月間、金はビットコイン( BTC )を大幅にアウトパフォームした。ビットコインと金の比率は8月中旬以降約30%低下し、37から25付近まで下がった。この期間、ビットコインが約12%下落した一方、金は約30%高騰し、2025年の最高パフォーマンス資産の1つとなった。アナリストは米金融緩和への期待と地政学的リスクヘッジによる「リスクオフ」の動きが金価格を押し上げたと分析した。
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しかし潮目が変わりつつあるようだ。ビットコインは昨夜10.8万ドル台から11.3万ドル台まで回復した。報道によると、ホライゾンの成長責任者ジョー・コンソルティ氏は「積極的なキャッチアップトレードの初期段階だ」と述べ、ファンドマネージャーが年末に向けてリスク資産に回帰しつつあると指摘した。米中貿易緊張の緩和・米ドル上昇・過熱感を示すテクニカル指標が金・銀の下落要因となった。
ビットワイズの研究者は、金の17兆ドル市場からの小規模な資金移動がビットコイン価格に大きな影響を与える可能性があると分析した。今週の報告書で「わずか3%から4%の資金移動でビットコインは現在から2倍になる」と試算し、2%の移動だけでもビットコインを16万ドル以上に押し上げる可能性があると指摘した。
また、トレードネーションのシニアマーケットアナリスト、デビッド・モリソン氏はYahooファイナンスの取材で、金が先週木曜日から4,400ドル超えを何度か試みたが抵抗線に直面したと説明。下落が必要な調整の始まりかどうかが焦点で、4000ドル付近が最初の主要サポートラインになるという。一方、セブンズレポートリサーチの創設者トム・エッセイ氏は「これは単なる一時的な調整だ」と述べ、高インフレ、低実質金利、地政学的懸念が金の強気材料であり続けると指摘した。
ウォール街は依然として金に強気だ。バンク・オブ・アメリカは2026年半ばまでに1オンス6,000ドルのピークを予測し、ゴールドマン・サックスは来年末までに4,900ドルと見込んでいる。また、JPモルガンは2029年までに6,000ドルに達する可能性があるとしている。
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