米SECアトキンス委員長、仮想通貨企業に訴訟前に「違反通知」を追加へ=報道
米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス委員長は、SECは今後、暗号資産(仮想通貨)企業に対する正式な執行措置を取る前に、規則違反についての通知を発行すると話した。フィナンシャルタイムズが15日に報じた。
投資家に詐欺的な行為を働いた者は厳しく取り締まるが、(訴訟などに訴える前に)通知しなければならない段階もあるとしている。
また、バイデン政権下でゲンスラー前委員長が率いていた時代のSECについて批判を向けた。近年は、SECは前例やガイドラインによる予測可能性に基づかない方法でまず企業を攻撃する方法を取っていたと述べる。
各業界からも、適正手続き、通知、法の支配の欠如が欠けていると批判されていたことに言及している。特に、ゲンスラー前委員長は記録保持違反で銀行や証券会社に数十億ドルに上る罰金を科していたことを指摘した。
これまで記録保管ルールは証券会社、投資顧問会社などによって異なっていたが、これを体系化すべき時が来ていると続ける。
ゲンスラー前委員長の下で、SECはリップル社、バイナンス、コインベース、クラーケンなどの大手仮想通貨企業を相手取って法廷闘争を行い、業界は数十億ドルもの訴訟費用を負担している。
こうした裁判でSECは、主に「未登録証券を提供していた」と主張して企業を訴えていた格好だ。しかし、何が証券にあたるかを明確に示していないと業界からは批判されていた。
アトキンス氏率いるSECは、トランプ政権で新体制となり、仮想通貨のイノベーションを促進する方向に舵を切っている。
アトキンス氏は10日の講演でも、ほとんどの仮想通貨トークンは証券とはみなされない見込みだと改めて表明したところだ。「仮想通貨の大半は証券」と認識していたゲンスラー氏とは大きく方針を変えている。
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なお、米仮想通貨取引所コインベースは、ゲンスラー委員長は企業を記録保持違反で取り締まる一方、自身の文書を破棄していたとして裁判所に制裁を求める書類を提出した。
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新体制のSECは1月、仮想通貨業界向けの特別タスクフォースを設立しており、「法的執行リソースの適切な配分」にも焦点を当てるとしていた。今後は、仮想通貨企業に対する調査や訴訟を行う上で、SEC内部での審査がより厳密になる可能性がある。
米国では、上院議員らが先週、「責任ある金融イノベーション法案」の改訂版草案を発表した。この草案は、SECと商品先物取引委員会(CFTC)の両メンバーで構成される、仮想通貨の合同諮問委員会の設置も提案している。
アトキンスSEC委員長と、キャロライン・ファムCFTC委員長代行は共同声明で、両機関は「規制の重複を減らし、不必要な摩擦を排除し、イノベーションを支援するために連携する必要がある」と述べた。
バイデン政権下では、仮想通貨を証券として取り締まりたいSECと、商品(コモディティ)の規制を担当するCFTCの間で水面下の管轄権限争いがあったが、今後は役割分担を明確にし、ルールの透明性が向上することが期待される。
なお、草案では分散型プロトコル、バリデータ、流動性プロバイダー、ウォレットやインフラに貢献する開発者は、プロトコルが中央集権的に管理されていない限り、従来の金融規制が自動的に適用されることはないという内容も盛り込まれた。
一方で、民主党議員の一部は、この法案を支持する条件を公開。DeFi(分散型金融)の新たな監督体制の導入などを求めている。

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