ビットコイン市場の分岐点となる価格は? Glassnode分析
暗号資産(仮想通貨)分析企業Glassnodeは4日、週間マーケットレポートを発表。ビットコイン( BTC )は、10万4,000ドル~11万6,000ドルの出来高の少ないゾーンで推移しており、先物とETF(上場投資信託)の流入額は需要の冷え込みを示していると分析した。
ビットコインが11万4,000ドルから11万6,000ドルを回復すれば強気相場の見方が強まるが、逆に10万4,000ドルを下回れば、9万3,000ドルから9万5,000ドルへの下落が予想されるとしている。
Glassnodeは、3.5か月にわたる高騰局面は終焉を迎えており、価格は10万4,000ドル~11万4,000ドルのレンジに戻ったと述べる。歴史的に、このゾーンは次の決定的なトレンドに入る前の横ばいのゾーンだと指摘した。
短期保有者のうち含み益にある割合は、ビットコインが10万8,000ドルまで下落した段階で、90%以上から42%に急落している。過熱状態が一時的に冷えた形だ。
その後、売りが落ち着いたところで、ビットコインは10万8,000ドルから11万2,000ドルに反発。現在の価格では、短期保有者の60%以上が利益を回復しており、ここ数週間の極端な状況と比較すると、中立的な状態に戻っている。
一方で、Glassnodeは、この回復は依然として脆弱なものだと指摘した。11万4,000ドルから11万6,000ドルを持続的に超えている状態、すなわち短期保有者の75%以上が利益を回復している場合にのみ、新たな需要を取り込み市場の勢いが戻る可能性があると続けている。
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ETFの状況
Glassnodeは、オフチェーン市場のセンチメントを測る指標として、現物ETF(上場投資信託)への資金フローにも注目した。これは、主に機関投資家の需要の強さを捉えるものだ。
まず、イーサリアム( ETH )については、5月から8月にかけて14日間の純流入額平均は、5万6,000~8万5,000ETHとそれ以前より急増し、イーサリアムが最高値を更新するにあたって大きな役割を果たしていた。
しかし、ここ1週間でこのペースは急激に鈍化しており、1日あたり1万6,000ETHになった。価格がピークから下落する中で需要も弱まっていることを示している。
Glassnodeによると、ビットコイン現物ETFも同様の傾向を示しており、4月から7月にかけて1日あたり3,000BTCを超える流入は減少。14日間平均は540BTCにまで大幅減少しているところだ。
ビットコインについてもイーサリアムについても、伝統型金融機関に由来する購買力が縮小していることを示唆している。
Glassnodeは、ビットコインとイーサリアムでは需要構造に違いがあるとも指摘した。
ビットコインの場合、伝統市場の機関投資家は主に現物ETFを通してビットコインを購入していたが、イーサリアムの場合は、現物ETFへの投資に加えて、先物市場でのキャッシュ・アンド・キャリー取引を組み合わせる傾向があった。
キャッシュ・アンド・キャリー取引とはこの場合、現物ETFを買い、同時に先物を売ることで、先物と現物の価格差を利益として取りに行く裁定取引のことである。
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