最新版ビットコイン価格予測モデル、6年以内1000万ドル到達の可能性75%
経済学者マレー・A・ラッド氏率いるサトシアクションエデュケーションの研究チームが8月10日、ビットコイン( BTC )価格の最新予測モデルを発表した。同モデルでは2036年4月までにビットコイン価格が481万ドルを超える確率が75%と算出されている。
今回の研究は従来モデルを改良し、エプスタインジン効用関数を採用して投資家の時間選好と価格感応度を分離した結果となる。モンテカルロシミュレーションにより1万回の無作為抽出を実施し、より精密な価格予測を実現していると説明。
・エプスタインジン効用関数:経済学で使用される数学的モデルで、投資家の時間選好(将来の価値を現在価値に割り引く傾向)と価格感応度(価格変動に対する反応)を分離して分析する関数。本研究では、ビットコイン投資家の行動パターンをモデル化するために採用。
・モンテカルロシミュレーション:ランダムな変数を繰り返し抽出し、多数のシナリオを生成することで将来の結果を予測する統計的手法。本記事では、1万回のシミュレーションを通じてビットコイン価格の確率分布を算出。
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予測前提
研究の前提として、ビットコインの発行上限2,100万枚と現在の流動供給約300万枚という制約条件を設定した。機関投資家による日次2,000から8,000 BTCの継続的流動性収縮(撤退=取引所からの出金)が価格形成の主要因子となっている。
需要拡大パラメータでは10倍から100倍の範囲を想定し、採用曲線の成熟期間を6年から16年で設定した。収縮感応度パラメータにより価格上昇時の購入量調整メカニズムも組み込まれている。
価格予測シナリオ
確率分析では2036年時点で価格が1,000万ドルに到達する可能性が75%の確率帯に含まれることが判明した。一方、95%確率帯ではより高い2,000万ドル超の価格水準も視野に入り、極端な供給不足シナリオでは2,500万ドル到達も理論上可能とされている。
流動供給の枯渇が価格急騰の主要トリガーとなっており、2026年1月19日に200万ビットコイン、2027年12月7日に100万ビットコインを下回る最悪ケース確率はおよそ1%存在する。中央値予測では500万ビットコインの流動供給維持が想定されている。
シミュレーション結果では、流動供給が200万ビットコイン以下に減少し撤退感応度が低い場合に急激な価格上昇が発生する。一般的パラメータ設定下では数百万ドルから数千万ドルの価格帯が予測されている。
前回1月の研究では保守的シナリオで2028年6月までに100万ドル到達を予測していた。今回モデルでは同価格帯を大幅に上回る水準(250万ドル以上)が算出され、2026年以降の値上げ幅拡大が顕著に表れている。
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研究チームは流動供給の40%が永続的保有される前提を採用したが、企業担保活用拡大により実際の流動供給はさらに減少する可能性を指摘している。DeFiアプリやレイヤー2プロトコルでのロックアップ増加も供給制約要因となっている。
国家戦略備蓄や企業財務戦略としてのビットコイン採用拡大が価格上昇の主要推進力となる見込みであり、ラッド氏は「極端な価格上昇は初期流動供給の不確実性に起因し、穏健な不足状況と暴走的な供給枯渇を分ける境界線が存在する」と分析している。
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