「保有していれば国家債務削減できたか」ブルガリア政府が2018年に手放した21万ビットコインの現在価値
東欧ブルガリア政府が2017年12月にサイバー犯罪組織から押収した213,500ビットコイン( BTC )を2018年に売却した判断が、現在巨大な機会損失として議論を呼んでいる。当時の売却単価は1BTC=10,000〜17,000ドルと推定されており、約35億ドルの総売却益だった。
この売却は、ビットコインの当時の急落リスクやEUの規制不透明性が背景にあり、慎重な判断として行われたものとされる。
一方、単純計算ではあるが、売却したビットコインの現在価値250億ドルは、すでに同国の240億ドルの国家債務を上回る規模に達している。この金額は同国の年間GDP総額1,050億ドルの約4分の1に相当する巨額となっている。
バイナンス創設者のCZ氏は今回のニュースを受け、「ビットコインは大部分の公的債務を解決できる」とコメント。ビットコイン教育者のサイフェディーン・アンモース氏は「数年間保有するだけで国債を完済できたのに」と指摘した。
こうした中、ビットコインの戦略的国家準備資産としての可能性を検証する動きも活発化している。資産運用大手バンエックは今年の2月に、米国財務省によるビットコイン準備金構想を分析し、2029年までに100万ビットコインを蓄積すれば2049年に国債の18%を相殺可能との予測を示した。
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一方、専門家らは当時のブルガリア政府がビットコインの本質を理解していなかったと分析。また、未成熟な管理システムも売却判断に影響したとの見方もある。
同様の事例としてドイツも2024年に約5万ビットコインを平均58,000ドルで売却し約29億ドルを得た。しかし現在価値では61億ドル超となり、大幅な機会損失が発生している。
エルサルバドルの事例をはじめ、ビットコインの長期保有による国家財政改善の可能性が注目される中、各国政府の仮想通貨政策と財政戦略の関係性が重要な議論となりつつある。ブルガリアの事例は「近年最も高額な財政ミス」の一つとして記録されることとなった。
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