米雇用統計好調でビットコイン一時11万ドル超、アーサー・ヘイズが下落リスクを警告する理由は?
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン( BTC )は前日比+0.75%の1BTC=109,500ドルに。
米国の雇用統計が市場予想を上回る好調な結果となったことを受け、ビットコインは一時1BTC=110,000ドルを超える水準まで上昇した。
労働省が発表した6月の非農業部門新規雇用者数は147,000人に達し、市場予想の110,000人を大きく上回った。5月の修正値144,000人からも増加している。
失業率については、市場が4.3%への上昇を予想していたのに対し、実際は4.1%に低下した。これは連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めが続く中でも、米国経済が底堅さを維持していることを示している。この結果を受けて伝統的な金融市場は上昇し、リスク選好の動きがビットコインにも波及した形だ。
トランプ大統領の支出法案(通称「ビッグ・ビューティフル・ビル」)が可決された後、ドル流動性の創出が一時的に停滞する可能性が市場関係者から指摘されている。同法案は債務上限引き上げを含む内容となっており、トランプ大統領は自身の政策を実行するため、さらなる借入能力を必要としている状況だ。
この点について、BitMEXの創業者として知られるアーサー・ヘイズ氏は ブログ 投稿でビットコイン価格への影響について言及。
財務一般会計(TGA)の補充が、数兆ドル規模の債券を売却する必要に迫られるなどドル流動性にマイナス影響を与えた場合、8月に開催されるFRBのジャクソンホール会議を前に1BTC=90,000〜95,000ドルまで下落する可能性があるとの見通しを示した。
米国債に対する機関投資家の需要が依然として低迷している現状を踏まえ、政府は銀行システム内のステーブルコイン発行者を債券供給の新たな吸収手段として活用する可能性があるとヘイズ氏は指摘する。
この流動性確保策は最終的には市場に新たな資金を注入する可能性があるものの、短期的には仮想通貨市場に下押し圧力をかける可能性がある。ステーブルコインを介して資金が債券市場に流れることで、ビットコインは一時的に勢いを失うリスクがあるためだ。
アーサー・ヘイズ氏の率いる投資会社Maelstromは、このような不確実性に備えるべく、8月末までにEthena Labsが提供するドル連動型ステーブルコイン「USDe(Ethena USD)」をオーバーウェイトとする戦略を採用している。
すでに流動性の低いアルトコインのポジションはすべて売却済みで、価格動向次第ではビットコインのリスクも軽減する可能性があるとした。
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