ソラナの新コンセンサスプロトコル「Alpenglow」提案 性能引き上げへ
Solana Labsから派生した暗号資産(仮想通貨)ソラナ( SOL )の開発スタジオAnzaは19日、新たなコンセンサスプロトコル「Alpenglow」を提案した。
これを実装することにより、理論的にはソラナがより高速になり応答性の点でWeb2インフラとも競合できる可能性があると主張している。
「Alpenglow」は、これまでのコアプロトコルを構成していたTowerBFTプルーフ・オブ・ステーク合意メカニズムの代わりに、投票とブロックファイナライズロジックを引き継ぐ「Votor」を導入するものだ。
Anzaによると、TowerBFTの下では、ソラナはブロック作成からブロックファイナリティ(ブロックがネットワーク全体で最終的に認められること)まで約12.8秒かかっている。
一方でAlpenglowでは、現在のメインネットのステーク配分に基づくシミュレーションによると、約150ミリ秒(中央値)で実際のファイナリティを達成できると予想されている。なお、ミリ秒とは1秒の千分の一の時間である。
Anzaは、こうした高速性によりソラナのブロックチェーンが、リアルタイムパフォーマンスが求められる全く新しいカテゴリーのアプリケーションに使えるようになる可能性もあると述べた。
また、Alpenglowのリリースがソラナにとって大きな転換点ともなるだろうと意見している。
関連: SEC、ソラナ現物ETFへの決定を延期21SharesとBitwiseが対象
具体的な仕組みとしては、「Votor」は現在のノードの「ゴシップモデル」(ランダムに他ノードに情報を伝える)ではなく、より高速な「直接通信プリミティブ」(ノードが特定の相手と直接通信する)を実行してブロックの確定投票を行うものだ。
ノードのグループは、あるブロックを承認するか、そのブロックが遅れて到着した場合や信頼できないと判断された場合はブロックをスキップするかを投票で決定する。
ブロックは、ステークの80%が承認すれば1ラウンドで、60%が承認すれば2ラウンドで承認される。Anzaは、並列投票トラックを使用することでより高速でスケーラブルな処理が可能となり、ブロック処理時間を100~150ミリ秒まで短縮できると主張した。
さらに、新プロトコル「Alpenglow」は、データ配信サブプロトコル「Rotor」も導入する。
「Rotor」は、ソラナの既存のブロック伝播プロトコルを改良したものだ。ブロックを細分化してネットワーク全体に分散させる現在のシステム「Turbine」を基盤としているが、「Turbine」の階層的な多層ツリー構造とは違い、単層のリレーノードを備えている。
これにより、Rotorはネットワークホップ数(データが経由する中継ノードの数)を最小限に抑えることが可能だ。
なお、ソラナに関しては財務戦略として取り入れる企業も現れている。ナスダック上場のDeFi Development Corp.(旧Janover)は、ステーキング報酬も含めて、12日時点で595,988 SOLを保有している。
関連: Janover、約136ドルでソラナを大量購入10億円以上の含み益に
「サトシ」か「ビット」か? ビットコイン価格高騰で基本単位論争が再燃
ビットコインの価格高騰に伴い、コミュニティではその基本単位「サトシ」変更の議論が白熱している。サトシを廃止すべきというビットコイン改善提案177にジャック・ドーシー氏が支持を表明する一方で、反対意見も...
ブラックロック「BUIDL」で利回り増やす取引戦略 BounceBitが実証試験
BounceBitがブラックロックのトークン化米国債「BUIDL」を担保に利用して、年利20%を実現した取引戦略を公開した。ステーブルコインを担保とするよりも利点があるとしている。...
個人ノード運用を容易に、ヴィタリックの新たなイーサリアム拡張案とは
仮想通貨イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏が新L1スケーリング計画を発表。個人のノード運用を容易にする「部分的ステートレスノード」でガスリミットを10~100倍に拡張する革新的アプローチを...