台湾議員、ビットコイン準備金創設を提唱
台湾立法院の葛如鈞(コ・ジュチュン)議員は9日、同国の議会で暗号資産(仮想通貨)ビットコイン( BTC )の準備金を創設することを提案した。
まず葛氏は、台湾は現在423トンの金(ゴールド)準備および最大5,770億ドル(約84兆円)の外貨準備を有しているが、後者のうち90%以上が米国債に投資されていると述べた。
将来、より深刻な市場変動や地域紛争が発生した場合には、資産の安全性や流動性が影響を受ける可能性があるとしている。これを改善するために新たな金融資産を追加すべきと唱えた。
その上で、ビットコインは供給上限や分散性、検閲耐性などの特徴から「デジタルゴールド」として考えられていると指摘している。
さらに、米国で実現したビットコイン準備金政策についても言及した。ドナルド・トランプ大統領によるビットコイン準備金創設や、ニューハンプシャー州で公的資金の5%までを仮想通貨に投資することを認める法案が可決したことを挙げている。
ニューハンプシャー州は、米国の州で初めて、ビットコインなどの仮想通貨による準備金を許可した州となった。
その後、アリゾナ州でも仮想通貨準備金法案が成立。ニューハンプシャー州とは異なり、仮想通貨を購入することは禁じられているものの、州が管理する未請求資産やエアドロップ、ステーキング報酬を州管理の準備金として保有することを認めるものだ。
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なお、葛氏はビットコインを唯一の解決策とするのではなく、ビットコインをポートフォリオ分散化ツールの一つとみなして政府が資産のごく一部を配分することを提案している。これにより、国家資産の柔軟性とリスクヘッジ能力を高められると意見した。
葛氏は最近、台湾の法定通貨の為替レートが不安定であるとして、次のように述べていた。
葛氏は、議会での提案の前に、ビットコインテクノロジー企業JAN3(ジャンスリー)のサムソン・モウ創業者兼CEOと、ビットコイン準備金について会談していた。
JAN3はビットコイン国家導入支援およびインフラ整備を使命とする企業だ。モウ氏は4月のインタビューで、従来の金融システムが通貨の過剰発行と債務膨張を招き、インフレなどの社会問題を引き起こしていると述べた。
法定通貨の無制限発行、地政学的リスク、信用の脆弱性などの問題に対して、ビットコインは分散型でオープンな、新しい経済のインフラを提供し得ると論じている。
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