米中貿易摩擦の激化懸念で仮想通貨大幅反落
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン( BTC )は前日比-4.9%の1BTC=76,327ドルに。
ホワイトハウスが報復関税を打ち出した中国に対して、104%の追加関税発動すると確認したことを受け、仮想通貨市場は再び下落圧力にさらされている。ビットコインは一時79,000ドルまで回復する場面があったものの、約3億ドル相当の清算が発生する中で76,000ドルまで値を下げた。
アルトコインでは、イーサリアム(ETH)が-9.7%の1448ドル、XRPが-7.0%の1.7ドル、ソラナ(SOL)は-6.4%の104ドルと大幅反落している。
中国は米国最大の貿易相手国であり、今回の広範囲にわたる高率関税が市場全体に壊滅的な打撃を与える懸念が高まっている。
株式市場では、仮想通貨関連銘柄が特に大きく下落しており、ビットコインを大量保有するマイクロストラテジー(MSTR)は関税確定後に11%急落。コインベースやロビンフッド、マラソンデジタルなどのマイニング関連銘柄の株価も5%近い大幅下落となった。
トランプ大統領が中国からの輸入品に104%の関税を課す方針を示したことを受け、中国政府は人民元安を容認する姿勢を見せている。4月8日、人民元の対米ドル為替レートは2023年以来の最低水準まで下落した。
市場関係者は、「中国人民銀行が自国通貨をより自由に変動させる用意があることを示した」と分析。BNPパリバのグレーター・チャイナFX部門責任者ジュ・ワン氏はロイター通信に対し、「中国が最終的に通貨を切り下げるという期待が高まっており、圧力は簡単には消えないだろう」と述べた。
このような状況を受け、仮想通貨取引所bybitの共同創業者兼CEOのベン・ゾウ氏は、中国政府は米国との貿易戦争に対抗するために人民元の下落を容認する可能性が高いと指摘。これについて「大量の中国資本がBTCに流入することを意味し、ビットコインにとって強気だ」との見解を示した。
BitMEXの創設者であるアーサー・ヘイズ氏も同様に、人民元の切り下げがビットコインを含む実物資産への中国資本逃避を促進するとの見方を示している。通貨の変動は、世界の二大経済大国を対立させている貿易戦争の一環と見られている。
中国政府は2021年に国内での暗号資産(仮想通貨)取引と採掘を全面的に禁止したが、中国の投資家は、個人間でのOTC(店頭取引)やVPN(仮想プライベートネットワーク)の利用など、さまざまな迂回手段で仮想通貨市場にアクセスしており、資本逃避の手段として機能し続けている実態があるとの見方がある。
また、2023年6月には中国が特別行政自治区と位置付ける香港が仮想通貨取引を合法化したことで、中国本土からの資金流入経路が強化された。
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