米下院民主党が協議する仮想通貨市場の新たな規制法案に対し、業界関係者は「業界は好まないだろう」との否定的な見方を示した。米仮想通貨政策記者のエレノア・テレット氏(クリプト・イン・アメリカ紙)が6日、複数名の業界関係者の話として伝えた。
共和党主導のクラリティー法案は、9月の上院採決で民主党議員全員が反対し、賛成49・反対50と審議入りに必要な60票に届かなかった。民主党は中間選挙で上下両院の過半数を確保し、1月に始まる新議会で、仮想通貨市場のルールと規制当局の管轄権限を定める市場構造法案を新たにまとめる案を協議している。
新案は、下院金融サービス委員会の次期委員長に就く見通しのマキシン・ウォーターズ下院議員(民主党)が2025年にクラリティー法案の修正案として示した「仮想通貨投資家・消費者権利章典」を土台とするものだ。顧客資産に対する保険に準じた補償や月次の準備金証明を求めた同修正案に加え、トランプ大統領ら連邦政府高官の仮想通貨関連の活動を対象とする倫理条項も追加される見込みだ。
また、新案は米証券取引委員会(SEC)の仮想通貨市場への監督権限を拡大するもので、業界関係者は、SEC色が強く米商品先物取引委員会(CFTC)の役割はほぼないと指摘した。
業界には、ゲンスラー元委員長の下でSECがコインベース、リップル、クラーケンを証券法違反の疑いで提訴した経緯が残り、拡大された権限を将来のSECが強硬に行使することに対する懸念があるという。
一方、トランプ大統領は今後2年間、拒否権を保持しており、覆すには共和党の相当数の支持が必要になる。ウォーターズ下院議員の修正案を復活させる動きを把握した共和党関係者は、政治的な主張を示すための「メッセージング法案」と批判した。
また、民主党の戦略担当者の一人は、分散型金融(DeFi)が主な対立点の一つになり得るとし、運営を認めるか、従来の仲介業者と同様の規制を課すかという根本的な問いに業界が再び向き合う可能性があるとの見方を示した。同戦略担当者は、この案が2029年の市場構造法案の再挑戦や、将来の民主党政権の規制方針の土台になり得るとテレット氏の取材に述べた。


