米仮想通貨運用大手グレースケールは21日、10種類の仮想通貨ETF(上場投資信託)で現物拠出(イン・カインド)による申し込みを開始した。
この仕組みを利用することで、条件を満たす投資家は保有する仮想通貨を直接拠出し、その対価としてグレースケール商品の株式を取得することが可能になる。一度現金に変えてからETFなどを購入する手間やコストが省ける可能性がある。
対象となる商品には、「ビットコイン・ミニ・トラストETF」や「イーサリアム・ステーキング・ミニETF」のほか、アバランチ(AVAX)、チェーンリンク(LINK)、ドージコイン(DOGE)、ハイパーリキッド(HYPE)、ソラナ(SOL)、スイ(SUI)、XRP、ジーキャッシュ(ZEC)に関連するETFなどが含まれる。
最低投資額は、10月20日時点の市場価格に基づき約8万300ドルから36万4800ドルの範囲だ。概算であり今後変更となる可能性もある。グレースケールのインデックス部門責任者であるスティーブ・ヴァナーニー(Steve Vanourny)氏は次のように説明した:
セルフカストディやDeFi(分散型金融)を狙った攻撃など、サイバーセキュリティ上の脅威が高まる中、機関によるカストディの価値はますます高まっている。
現物拠出によるETFなどへの投資は、仮想通貨の直接保有と従来型のポートフォリオ管理の橋渡しをするものだ。
グレースケールは、投資商品にすることで、証拠金や担保として活用できる場合があるほか、相続・資産承継の枠組みに組み込める点、ポートフォリオ運用の柔軟性向上といった利便性も享受できるようになるとしている。原資産へのエクスポージャーを維持し続けることも魅力の一つに挙げた。
今回の動きは、米証券取引委員会(SEC)による承認も背景にあるとみられる。
SECは2025年7月に、仮想通貨関連のETP(ETFも含む上場投資商品全般)における現物拠出および現物償還を承認している。ウォール街の大手企業やマーケットメーカーなど、指定参加者に対してこうした取引が許可された格好だ。
ポール・アトキンス委員長は当時、「今回の承認は、関連商品のコスト低減と効率化をもたらし、投資家に恩恵をもたらすだろう」と語っていた。
グレースケールの現物拠出による申し込みを利用する場合、投資家は一次市場(プライマリー市場)を通じて、指定参加者、または指定参加者への仲介役となる主体を通じて手続きを行う必要がある。仲介手数料などもかかる。