英フィナンシャル・タイムズ(FT)は25日、米司法省がステーブルコイン大手テザー系の資金移動を担っていたモンタナ州の決済業者キャプストーンについて、無許可の違法な資金移動があったとして口座から約8,400万ドルを差し押さえたと報じた。
司法省は7月、カリフォルニア州の連邦地裁に資産没収を求める民事訴訟を提起し、キャプストーンが無許可のまま同社の銀行口座を通じて数百の個人・団体へ資金を送っていたと主張。訴状によると、キャプストーンはカリブ海ドミニカ拠点のオフショア銀行EQIバンクの指示を受け、テザーと姉妹取引所ビットフィネックスの資金をやり取りしていたとされる。
キャプストーンは2024年8月にEQIバンク向け業務で合意した3週間後にモンタナ州で法人登記し、IT関連企業を装って米銀行口座を開設していたとFTが伝えた。司法省はキャプストーンについて、FBI捜査官を装った詐欺グループが高齢者から騙し取った現金をステーブルコインに変換する手助けもしていたと指摘した。
コインテレグラフによると、テザーはEQIバンクの顧客であることを認めた上で、2024年8月から2025年12月にかけて行われたとされるキャプストーンの資金移動を巡る司法省の摘発については認識がなかったと説明した。
また、コインデスクの試算では、テザーが公表した6月末時点の資産総額1,877億5,000万ドルに、テザーが示したエクスポージャー比率0.034%を当てはめると、エクスポージャー額はおよそ6,400万ドルとなる。
差し押さえを受けたEQIバンクは、押収額を8,900万ドルとして自社の保有資金の約8割に相当すると主張し、清算に追い込まれる恐れがあるとの見方を示した。キャプストーンの代理人弁護士は不正行為を否認し、没収請求の却下を求める申し立てを行う方針だと述べた。