米下院歳入委員会は、委員長のジェイソン・スミス議員が14日付で提出した「デジタル・アセット・タックス・サーテンティー法案」(H.R.10357)を、日本時間16日の委員会審議に付すと発表した。114ページに及ぶ法案は、仮想通貨の手数料やステーブルコイン、売却損失の控除、貸借、寄付、マイニングとステーキング、報告義務の税務処理を改める内容である。
マークアップとは、委員会の議員が法案を審議し、修正案を採決した上で本会議への報告を決める手続きである。法案の成立を意味せず、委員会での修正により条文が変わる可能性がある。
個人利用者に関わる規定では、1件の対象取引に係るネットワーク手数料または取引手数料の合計が10ドル以下の場合、仮想通貨による支払いに伴う利益・損失を認識しない。
前年に5,000件を超える仮想通貨移転を行った者などは対象外で、日常の仮想通貨購入全般を少額免税にする制度ではなく、適用は2028年からだという。
法案は、売却による損失確定の前後30日以内に同一または実質的に同一の仮想通貨を取得した場合、損失控除を認めない規則を拡大する。また、含み益を実質的に固定する取引にもみなし売却規則を広げるが、適格米ドルステーブルコインは原則として除外する。
適格米ドルステーブルコインは取得対価が償還価値の99.5%以上などの条件下で償還価値を取得価額とし、広く取引される仮想通貨には取引ごとではなく年次でまとめる選択制の簡易会計を認める。
さらに、マイニングとステーキングによる取引検証支援所得は通常所得とし、納税者の居住地や事業拠点に応じた源泉判定を設ける。一定の信託はステーキングだけを理由に信託扱いを失わないが、6月案にあった新規発行報酬の課税繰延べ選択は今回の法案本文に盛り込まれていない。
そのほか、一定の仮想通貨貸借で譲渡損益を認識しない規定、広く取引される仮想通貨の寄付に関する適格鑑定の免除、成立後12カ月以内の自主開示制度、ブローカー報告の見直しも盛り込まれた。歳入委員会は16日23時(日本時間)からマークアップを開く予定だ。


